チームに入り、毎日一生懸命練習しているわが子の試合。
保護者も熱い応援を送りたくなりますよね。
しかし、一歩間違うと、「あの保護者、やりすぎ…」「え?ちょっと浮いてる?」となりかねません。
特に大事な試合になればなるほど「保護者がアツくなりすぎてしまう」傾向があります。
子ども達が気持ちよく試合を行い、存分に練習の成果を発揮できるような「良い応援の仕方」「応援マナーやルール」をもう一度考えてみませんか?
JFA日本サッカー協会の規定上はこうなっています!
日本サッカー協会がネット上に公開しているハンドブック「保護者のみなさまへ めざせ!ベストサポーター」にはこう書かれています。
『私たちは相手チームを「敵」という言い方はせず、「相手」と呼びます。それはサッカーをするための大切な仲間だからです。自分の子どもばかりでなく、チームメイト、そして、相手チームにも、みんなの良いプレーに拍手をしましょう。』
(引用:JFAハンドブック)
相手チームにも、というところがポイントです。
保護者にもイエローカードの可能性?知らずにやってる「コーチング」
「ベンチ外からのサイドコーチ禁止」という規定を覚えておいてください。あまりに目に余ると場合には、チームが注意されることもありますから「うっかり」や「知らなかった」ではすみません。
サイドコーチとは、ピッチの外から選手にプレーの指示を与える行為です。各種大会の大会要項には「ゴール後方やタッチライン沿いでのサイドコーチは、禁止する。」という内容の記載があります。
「〇〇にパス!」とか「シュート打て!」「何番マークつけ!」「前に走れ!」なども選手への指示(コーチング)ととられる可能性がありますから、避けた方が無難です。
JFAでは「自分で考えてプレーできる選手の育成」を推奨しており、クラブの監督・コーチもそれを念頭に置きながら育成に取り組んでいますが、サイドコーチはそれを阻害してしまうので禁止されているのです。
ジュニアサッカーニュース内で各地のコーチ陣にアンケートをとった際の回答に「『自分のプレーは自分で決めて、それを信じて試合をしてください。』と指導している。」という回答をいただきました。
こうした監督やコーチの指導の邪魔をしてしまう可能性があります。
また、練習などで監督やコーチが教えていることと食い違ったコーチングを保護者がしてしまうと、子ども自身が混乱します。そういった意味でも保護者のサイドコーチは弊害があります。
審判を尊重し、サポーターとして見守ろう!
『コーチはコーチに任せる。レフェリーはレフェリーに任せる。プレーは子どもたちに任せる。私たちは応援し、見守る。』
(引用「サッカー競技規則 2016/2017」)
JFAのサイトに掲載されている「サッカー競技規則 2016/2017」の「サポーター」の項目に書かれています。サポーター(保護者)のあるべき姿を表しているといえるでしょう。
コーチ陣は子どもたちに「審判の判定を尊重すること」を教えています。
前述のコーチ陣へのアンケートでも、
「絶対に審判や対戦相手を批判しない、笑顔で観戦を徹底しています。」という回答をいただきました。保護者が審判を批判したり、判定に不満の声をあげたりするのはご法度です。
Photo Luyen Chou
では「いい応援」とはどんな応援?
Photo Chip Griffin
例えば果敢にドリブルでペナルティーエリア内に侵入を試みたが、惜しくも相手チームに阻まれて、コーナーキックになった、というような場面で「ナイスチャレンジ!」とか「惜しかったよ!」と声を掛ける。
また、ゴール前で必死に守ったけれど、惜しくも点を決められてしまったような場面では「ドンマイ!」など、声を掛けられた子どもが「また頑張ろう」と元気を出せるような声のかけ方が好ましいです。
自分のチーム・相手チームの良いプレーには拍手を送ろう!
Photo Shawn Rossi
なんて声を掛けたらいいのかわからない!
そんな時には「拍手」がおすすめです!
例えば、「ラインを割りそうなボールを必死で追いかけた」「偶発的に倒してしまった相手選手に手を貸した」など選手が「良いプレー」「良い振る舞い」をした場面などです。
保護者の応援が、わが子のチームを「フェアプレー賞」に?
大会によっては、優勝や準優勝に加え「フェアプレー賞」が設けられている場合がありますが、耳にしたことがあるでしょうか?
フェアプレー賞は『スピーディーで、観ていて気持ちの良いゲームを目指すプレーを評価します。また、選手の姿勢、対戦相手に対する敬意、審判に対する敬意、そして、ベンチのスタッフや控えの選手の姿勢。さらに、ゲームの雰囲気をつくる大きな要素である応援のファンも対象』
(引用:JFA Players First!! )
と日本サッカー協会で規定されています。
保護者の「応援」「声掛け」が試合に及ぼす影響の大きさが感じられますね。
最後に
いかがでしょうか? 「当たり前のことだよ。」と思った方もたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、実際の試合を振り返ってみたときに、どうでしょうか?
心温まる応援に感動する一方で、悲しいことに暴言やヤジによって子どもたちが萎縮してしまう場面に出くわすことはありませんか?
カテゴリーや試合の種類(リーグ戦なのか、トーナメント戦なのか)によっても雰囲気はかわってくると思いますが、どの保護者も「子どもに力を発揮してもらいたい」という気持ちは一緒のハズ。
全ての試合で気持ちの良い応援風景が見られるようになることを願っています。
photos Ursula Buford
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