「ワンチームで戦う」パーソナリティーのしっかりした選手を～前橋育英女子サッカー部大手監督にインタビュー

こちらの記事ではジュニアサッカーNEWSの独自調査により本サイトアクセスランキング全国第7位となりました前橋育英女子サッカー部についてお知らせします。

前橋育英高校は男子サッカー部の輝かしい戦績により全国的にも知名度を上げています。まさにそこに勝る勢いなのが女子サッカー部です。
この度の新型コロナウイルスにより現在部活動が中止になっている中、電話取材に応じてくださった大手監督に女子サッカー部の魅力をお伺いしました。

現在の前橋育英の想いを伝えたいとインタビューさせていただいた内容です。
全国の中学3年生だけでなく、中学2年生以下や保護者のみなさまに読んでいただければ嬉しいです。

（文/電話取材：Meg）

↓本文は写真の下から始まります↓

大手真智子監督インタビュー

　　プロフィール

前橋育英女子サッカー部顧問　2009年創部
群馬県出身
INAC神戸レオネッサ所属 島袋奈美恵や令和元年度に卒業した長野パルセイロレディース所属 伊藤有里彩、アメリカの大学でサッカーを続ける選手など多数の選手を輩出

地元群馬県開催のインターハイが初の中止に

ーーーインターハイが中止になったとき、選手のみなさんの表情はどんな感じでしたか？

大手監督（以下、大手）
「活動自粛中だったため、選手一人ひとりの表情は見られない状況でした。
寮に住む選手は地元に戻っている状態でしたので、県内の選手だけ様子を伺うということもしませんでした。

活動よりも命を優先することは最もですが、残念でなりませんでした。」

ーーーインターハイが中止になり、代替大会を検討・実施する県がでてきましたが群馬県の動きはどうですか？

大手
「現段階では話は出ていませんね。代替大会をするにも日程的に厳しいかなと思いますが、県高体連の判断にゆだねたいと思っています。選手たちの戸惑いもあるとは思いますが、選手権を次の目標にしたいと切り替えています。」

群馬の女子サッカーといえば、まず真っ先に名前が挙がってくる前橋育英高校。少ない人数でありながら、2019年度選手権全国大会では関東第1代表として全国大会へ進出し、1回戦で日ノ本学園高校（ベスト8）に惜敗しました。県内の2019年度新人戦では健大高崎を抑え、2018年度に続いて2連覇を果たし、インターハイへ向けての意気込みも万全だったはずです。

合同練習会の開催は..

ーーー今年の中学3年生は、軒並みの大会延期や中止により自分のプレーを発揮できる場がなかった。アピールできなかった。と落ち込む選手も多いようです。選手を見るにあたり中学時代の大会結果に重点を置いておられますか？　

大手
「大会の結果が素晴らしいのもいいですが、個人のプレースタイルやパフォーマンスで評価させていただいています。

以前はこちらからジュニアユースの関東大会や全国大会に足を延ばしアプローチさせていただいていましたが、昨今は高校の試合と重なることも多く、行けていない状況です。

最近では大変ありがたいことに学校の認知度が上がり、例年7.8月に開催しています男子との合同練習会に数多くの選手が集まってくれるようになりました。去年は150名ほどの参加があったと記憶しています。
そこで本校の魅力を伝えられたらいなと思っています。

ーーーさきほどお話しがでました合同練習会ですが、今年度は開催されますでしょうか？

大手
「現在のところ（5/28）未定です。

新型コロナウイルスの今後がどうなるかわからないことと、学校自体どのように生徒を守っていくかが現段階の課題ではあるので、まずはそこからだと考えています。」

ワンチームで戦う

ーーー今後どんな新入生が入部してほしいという希望はありますか。

大手
「本校は個性を大切にし、ボールと人が動くポゼッションサッカーをしています。
パーソナリティーのしっかりとした選手、自分の考えをしっかりと持っている個性あふれる選手に来てほしいと思います。毎年行われている男子との合同練習会には全国からたくさんの中学生選手に来ていただき、とても嬉しく思っています。

他校に比べて女子選手は少ないと思われるかもしれませんが、こちらの一覧に載っているメンバーが全てです。だいたい1学年10名前後でしょうか。
この人数ですので、女子は全員でワンチームと考えています。みんな仲良しですよ。

数年前は人数が多く在籍していた時期もありましたが、創部からの年月を通して私自身が選手に万遍無く指導ができ、さらに登録人数内という結論にいたりました。

新人戦での戦いは人数が少ないので、選手が病気やケガをすると苦しいんですけどね。
新人戦はいつも大変な思いをしますが少ない人数の中で学年関係なく、選手自らが頑張ることが必ず成長につながると思っています。」

ーーー最後になりますが、今年度の選手で一押し選手を教えてください。

大手
「センターバックの鈴木紋伽（JY：ザスパクサツ群馬U-15レディース）はがんばっていると思います。
2年生からスターティングメンバーを経験し、昨年度も活躍をしてくれました。今年度はチームを引っ張り、時には鼓舞しチームのために貢献できる選手だと思います。

過去には長野パルセイロに行った伊藤有里彩も非常に個性的な選手でした。選手の進路を決めるときはいつも悩みます。その選手にとって本当に最良の選択肢を用意したいと思っているので、考えに考えますね…。
念願の進路に決まってくれた時は本当に嬉しいです。良かったなと心から思いますね。」

伊藤有里彩
2001.4.2生　長野県出身
所属／経歴：
F.C.SWAN U-12ーF.C.SWAN U-15ー前橋育英高等学校ーAC長野パルセイロ・レディース
2019年12月11日橋育英高校にて入団会見も行われました。詳細はこちら
参照：AC NAGANO PARCEIRO　HP

前橋育英女子サッカー部データ

スローガン：Never Give Up　日本一への挑戦
方針：サッカーを通しての人間形成

＜第24回群馬県高等学校女子サッカー新人大会 2020/1/11～26＞
PHOTO参照：前橋育英高等学校　HP

過去の戦績
＜2019年度＞
群馬県高校総体優勝
第8回関東高校女子サッカー大会準優勝
全国高校総体インターハイ出場
第28回群馬県高校女子サッカー選手権大会優勝
第28回関東高等学校女子サッカー選手権大会優勝
第28回全日本高等学校女子サッカー選手権大会出場

＜2018年度＞
群馬県高校総体優勝
第7回関東高校女子サッカー大会優勝
全国高校総体インターハイ 3位
第27回群馬県高校女子サッカー選手権優勝
第27回関東高等学校女子サッカー選手権大会 5位
第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会出場

＜2017年度＞
群馬県高校総体優勝
第6回関東高校女子サッカー大会準優勝
全国高校総体インターハイ 5位
第26回群馬県高校女子サッカー選手権優勝
第26回関東高等学校女子サッカー選手権大会 3位
第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会出場

最後に

2020年度に入部した選手には兵庫県や長野県から親元を離れ、大手監督と共に寮生活を送っている選手がいます。いえ、送っていたはずでした。
現在は地元に戻り、1日も早くサッカーができる日常が戻ってくるのを待っているのはないかと思います。
群馬県では6月1日より授業が再開する学校が多いですが、2週間ほどは分散登校をする学校が多いかと思います。
コロナウイルスが終息し、中学3年生や高校3年生をはじめとする進路で大きく影響を受けるみなさんの気持ちが晴れる日がくることを心より願っています。

大手監督、今回の電話取材を快く受けてくださり、心より感謝いたします。
魅力的な監督のお人柄をみなさんにお伝えできていると嬉しいです。
前橋育英女子サッカー部の今後のご発展を心よりお祈りしております。