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【目指すは全国制覇】尚志高校サッカー部 仲村浩二監督インタビュー「求めるのは尚志ファミリーとしてサッカーを楽しめる選手」

※この記事は再掲です。

福島県郡山市西部。緑豊かな自然に囲まれた環境の中に、全国制覇を目標に掲げ、真摯に練習に打ち込むサッカー部があります。全国高校総体/インターハイ12回出場、全国高校サッカー選手権11回出場。1997年のサッカー部創設から23年、強豪校として日本全国にその名を馳せる、私立尚志高校サッカー部

2018年度の高校選手権準決勝では3-3(PK2-4)の激闘の末、青森山田に惜敗するも、2011年度以来2回目となる全国第3位。2019年度の高校総体でも、エース染野唯月選手(現・鹿島アントラーズ)、得点王・山内大空選手(現・青山学院大学)、阿部要門(現・3年/モンテディオ山形内定)を中心に快進撃を続け、準決勝で富山第一に0-1で敗れるも、総体初の第3位という素晴らしい成績をおさめました。
チーム情報への検索アクセス数による弊社の独自ランキングでも、並みいる強豪校の中で第3位にランクインするなど、尚志高校への注目度は益々高まっています。

今回は、そんな尚志高校サッカー部を創部以来一貫して指導されている仲村浩二監督にお話を伺いました。

(電話取材・文/anan)

↓本文は写真の下に続きます↓

仲村浩二監督インタビュー

仲村浩二監督プロフィール

写真(参照:ULTIMA LEAGUE公式HP

1972年6月30日生まれ
千葉県出身
高校時代は千葉県立習志野高校でプレー。第69回高校選手権ではエースとして同校をベスト8に導き、優秀選手に選出される。順天堂大学時代は、バルセロナオリンピック予選を戦う日本代表に選出。元日本代表・名波浩氏とは大学時代のチームメイト。順天堂大学卒業後は福島FCでプレーする。
1996年に現役を引退し、1997年のサッカー部設立に合わせて監督に就任。現在に至る。

求めるのは尚志ファミリーとして一緒にサッカーを楽しめる選手

ーーー昨年度、高校総体 福島県大会10連覇、高校選手権 福島県大会6連覇を達成。 全国総体では第3位と輝かしい成績をおさめられました。全国から入部を希望する選手も多いのではないでしょうか。

仲村監督
昨年は2018年の選手権が3位だった事もあり、その試合を見て大勢の選手がセレクションに集まってくれました。セレクションは毎年10名ほどのスタッフの目で見るのですが、選手が多かったので一人一人を見ることに長く時間がさけず、昨年が一番大変だと感じましたね。

これはセレクションに限らずなんですが、スカウトした子にも必ず1回は、現地で行われる練習会に参加してもらうようにしているんです。福島にある尚志高校という環境を、自分の目で見てもらう事を大切にしています。

寮と第1人工芝グラウンド、トレーニングルーム、徒歩3分の所に第3人工芝グラウンドを完備する尚志高校
写真は第1人工芝グランド(参照:尚志高校HP

ーーー練習会は夏に開かれますよね。スカウトはいつ頃から開始されているのでしょうか?

仲村監督
例年は1,2,3月頃から、スタッフが分散して行っています。関東圏を中心に、尚志と関わりのあるラッセル郡山がいる東北みちのくリーグも見に行っています。みちのくリーグでは、尊敬している黒田監督率いる青森山田中の選手に、落ちたらうちにおいでねって誘ったり・・・、来てくれたことはないんですけどね(笑)
今年はリーグや大会自体が中止になってしまっているので、見にいけていませんね。

ーーー新1年生は、毎年何名と決まっているのでしょうか?

仲村監督
その年によって違います。尚志は下宿を許可していませんので、その年に入寮出来る人数によって変動があります。

ーーー仲村監督が「こんな新入生に入部してほしい」という希望はありますか?

仲村監督
技術はもちろんですが、一番は『尚志高校でサッカーをしたい』という強い思いのある選手です。選手の中には、小学校の卒業アルバムに「尚志で活躍して福島県を元気にしたい」と書いていた選手もいます。
尚志高校でサッカーをやりたい。うまくなりたい。全国制覇したい。プロサッカー選手になりたい。など向上心の高い選手と一緒にサッカーをやりたい。尚志ファミリーとして一緒にサッカーを楽しめる選手に来てほしいと思っています。

ーーー尚志ファミリー、素敵な言葉ですね。尚志ファミリーを目指す小中学生に、今出来ることへのアドバイスをいただけますか?

仲村監督
しっかりした技術を身につけておく事を大事にしてほしいですね。ポジションによって求められる事が違ったり、スピードやフィジカルなどはありますが、全てしっかりとした技術が土台にあってこそです。自粛中なのでなかなか難しい状況かと思いますが、ボールに触るという事を大切にしてほしいと思います。

SHOSHI FCというジュニアチームがあるんですが、そのHPに自粛中でも家で出来るトレーニング動画を掲載していますので参考にしてみてください。

※編集部注:尚志高校敷地内にある男子寮の定員は112名です。(3学年/他部活も合わせての総数)

人生には逆転がある

ーーー新型コロナウィルスの影響を受け、高校総体の中止が決定されましたが・・・

仲村監督
選手権、総体で第3位というところまで来ていたので、今年は本当に全国優勝を狙っていましたし、その為の準備もしっかりしてきました。大会中止という決定に悔しい思いはあります。たとえ優勝が果たせずとも、戦って負けたかったな、と。

ーーー選手たちの様子はどうでしょう?

仲村監督
コロナ禍中の現在、1,2年生は数名自宅に戻りましたが、3年生は全員寮に残り、自粛中でも日常生活のリズムを崩さないように過ごしています。
今の3年生の多くは昨年降格したプレミアリーグに2年生で出場していました。もう1度プレミアリーグで戦おうと昇格を目指し練習を重ねてきたので、レギュレーション変更で昇格自体が無くなってしまったのも残念で。総体は中止、プレミア昇格も消滅ということになってしまいましたが、それゆえに彼らの中で「選手権で全国制覇するぞ」という思いが一層強まったかと思います。

今の子たちは、サッカー部だけでなく尚志高校という高校全体のイメージを変えるという目標を掲げて、何に対しても積極的にやってきた絆の強い代なんです。今までの尚志高校には「第二希望で入る学校イメージ」があったというか(笑) 。
「良い風を吹かすお前らがそんなんじゃダメだよね」と、サッカーだけでなく日常の挨拶や振る舞いから大切にしてきましたし、人として成長するために努力を積み重ね自分たちを律してきた世代です。今、3年生の進路面接をしているのですが、大学でもサッカーを続けたい、プロを目指したいという選手が多いのも嬉しいことですね。

ーーー高校で引退する選手が多い中、サッカーを続けたいと夢を持って進んでいく選手が多い事は指導者冥利に尽きますね。進学に、総体の中止は響きそうですか。

仲村監督
サッカーで有名大学への進学や指定校推薦を希望する選手にとって、基準がどうなるのかの心配はありますね。ただ、進路面接の際に選手たちに言っているのは「人生には逆転があるし、サッカーだけではない」という事です。
全員がレギュラーになれるわけではないですし、プロになれるわけではありません。しかし、現役時代にレギュラーを取れなかった選手がコンサドーレ札幌のTOPチームでコーチをしていたり※、大学からプロ入りをしたり、会社の社長になって尚志高校のスポンサーになってくれたりするわけです。たとえ高校でレギュラーでなかったとしても、目標を持って本気で努力する事で、人生の選択肢は広がっていくのではないかと思います。

編集部注:四方田修平氏
仲村監督とは習志野高校、順天堂時代のチームメイト

尚志高校サッカー部データ

部活動紹介

私たちサッカー部は3年生38名、2年生37名、1年生50名、マネージャー6名の計131名で仲村浩二監督をはじめとする7名のコーチの指導の下日々活動しています。
サッカー部は、「全国制覇」という目標を掲げ、日々厳しいトレーニングに取り組んでいます。ボールを使った直接的な練習だけでなく、持久力を高める走りのトレーニング、肉体造りのベースとなる体幹トレーニングやウエイトトレーニングをフィジカルトレーナーをよんで、週に一度行っています。また、サッカーだけでなく日常生活の中でも礼儀や挨拶、学生の本分である学業にも力を入れ、文武両道をはかっています。毎朝分担して駐輪場の自転車を並べる活動、朝と昼に主な練習場所の人工芝グラウンドの掃除、ゴミ拾いを行い毎日練習ができることへの感謝を忘れず環境美化をしています。

私たちのほとんどの部員が寮生活をしています。親元を離れて暮らすことで親や支えてくれる周りの人への感謝を学ぶことができます。サッカーのプレーに対しても何度もぶつかり合いながら互いに高め合っています。

今年度の成績は、プレミアリーグ10位、東北プリンスリーグ5位、F1リーグ優勝、インターハイ福島県予選優勝、そして6年連続11度目となる全国大会出場が決まりました。インターハイでは全国3位という記録を残しましたが、プレミアリーグ降格、選手権大会1回戦負けと悔しい思いをしました。この悔しさを忘れず選手一人一人の技術向上、精神面の強化、チーム力を高め「全国制覇」をめざし頑張ります。

参照:尚志高校HP

◆創部
1997年

◆チームスローガン
PRIDE OF SHOSHI

◆過去の成績
2000年 創部3年目で福島県新人戦優勝
2006年 創部9年目にして全国高校サッカー選手権 初出場
2011年 全国高校サッカー選手権 ベスト4
2018年 全国高校サッカー選手権 ベスト4
2019年 全国高校総体 ベスト4

◆2019年度成績
トップ:2019プレミアリーグ10位
2nd:東北プリンスリーグ5位
3rd:福島県F1リーグ優勝
高校総体 福島県予選優勝(10年連続12回目)、全国高校総体第3位
高校選手権福島県予選優勝(6年連続11回目)、全国高校選手権2回戦
福島県 新人戦 ベスト8

2019選手権全国大会 準決勝(写真参照:郡山市役所Facebook

最後に

2018年度選手権での青森山田戦、2019年度総体での富山第一戦で「尚志高校ここにあり」と、高校サッカーファンに感動と強烈なインパクトを残した尚志高校サッカー部。見る者を魅了する尚志高校の確かな技術やパスワークは、選手たちの「日常生活に対して取り組む姿勢」が根底にありました。
長い人生の中で見ればたった3年、されど3年。彼らは「尚志高校でサッカーがしたい」という強い思いに支えられ、本気で取り組み、ひたむきに努力し、最後まで諦めないことで、人間として大きく成長していくのではないでしょうか。

仲村監督は「サッカーは楽しい事が一番」とおっしゃいました。
良いプレーは褒め、課題は筋道を立て論理的に指導していらっしゃいます。

ーーー監督は怒ることはあるんですか?
私生活については怒りますよ。
授業態度や提出物が出せていない時もですし、寮にはスタッフもいますから朝食をきちんと食べているかいないか分かります。食べていなかったら許さないですね(笑)

厳しさの中にも笑顔で選手と接していらっしゃるであろう監督の姿が、ぱっと目に浮かぶようではありませんか?選手、保護者、スタッフ、OBを繋ぐ「尚志ファミリー」という言葉は、この仲村監督のお人柄があってこそのように思えてなりません。
新型コロナウイルスが収束に向かい、尚志高校の皆さんがご活躍される姿、また、全国制覇を成し遂げられる事を楽しみにしています。

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寄稿者プロフィール

JUNIORSOCCER NEWSニュース副編集長/東海エリア責任者anan
2017年11月からジュニアサッカーNEWSのライターをしています。
地元のサッカー界を盛り上げたいと始めたお仕事でしたが、気付けば全国のサッカー少年を涙ながらに応援する「ただの親戚のおばさん」に。
ひたむきに頑張っている子どもたちを 心から尊敬しています。

小さなことでも、何かひとつでも、みなさんのお役に立てるような情報をお届けできたらと思っています。

小さなことでも、何かひとつでも、みなさんから教えていただければ嬉しいです。

これからも どうぞどうぞよろしくお願いいたします。

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