J下部組織のジュニアチームのU10セレクションの合格者・不合格者を調べたデータが存在します。
そちらをご紹介しましょう。
身長・体重は合格不合格に影響したか?
セレクションの結果、身長・体重ともに不合格者よりも合格者のほうが高いという結果になりました。身体的発育の早い選手のほうが小学校年代のセレクションでは選ばれやすいという結果になっています。
体力テストの結果は合格不合格に影響したか?
photo:Yohaan Legrand
体力テストの結果は、合格不合格に関係しました。合格者のほうが、不合格者に比べてスピード・パワー・調整能力に優れるという結果が出ました。
30m走・垂直とびに有意な差が出たと同時に、10秒間の全力足踏み及び30秒間の反復横とびでは合格者と不合格者の間に差はありませんでした。
全力足踏み及び30秒間の反復横とびは、スピードの持久力を測るために行われたテストですが、両者に差があまり見られなかったため、スピードの持久力という要素は選手のパフォーマンスに及ぼす影響は少なかったとみられています。
また、このセレクションで合格した選手は14名でしたが、実技評価による12名のほか、実技は劣るけれども体力テストで好成績を収めた選手が2名選出されています。
トレセンやセレクションの評価に影響大!体力テストの重要性を知っておこう
生まれ月は合格不合格に影響したか?
photo:Kimberly Vardeman
年の大きな選手のほうが、小さな選手よりも合格率が高かったという結果が出ています。
小学校年代では、全国的な問題としてこの件が顕著になっています。小学生年代でセレクションに合格不合格した結果、4月~6月の選手が圧倒的に多く、そのまま定着してしまうために早生まれの選手がサッカーを断念するケースもあります。
早生まれが必ずしも不利ではない、というデータもきちんと出ていますので、早生まれの選手の保護者の方はお読みください。
親の運動神経は合格不合格に影響する?
photo:Thomas Kohler
父親の運動競技レベルが高い選手のほうが合格者が多かったという結果になっています。興味深い結果だと思うので、引用します。
アンケート調査では、父親の競技歴に関してのみ両群間に有意な相違が認められた。対象者数が少なく、本研究の結果から遺伝的な影響に関して詳しく言及することはできないが、家族の競技歴を調査し選考会の1項目とすることは、選手の将来性を予測する上で重要となる可能性が示唆された。
参照・引用:体力科学Vol. 47 (1998) No. 6 P 659-986
第53回日本体力医学会大会
これをどうとらえるか?
photo:Fotograf Kim Mtthai Leland
これをどうとらえるかは諸説ありますが、遺伝的要因というよりも環境要因のほうが大きいのではないかと考えられます。
スポーツに対する姿勢は、競技種目が違ってもスポーツ共通です。親の姿勢が違えば、子どもがサッカーに取り組む姿勢も違って当然です。
スポーツをしたことがない保護者の方、あるいは、スポーツをしていたけれど競技歴といえるほど立派な成績は残せなかったという方は、書籍に学ぶのもよいですし、JFAの講習会(キッズリーダー養成講習会)などに参加するのも良い方法です。
その道で努力を続けてきた人たちの話を聞くことは、絶対に無駄ではありません。人の経験を吸収し、わが子のサッカーに役立ててください。
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