最近パフォーマンスが低下していない?
季節が変わったタイミングで、いつもできていたトレーニングが思うようにこなせなくなったり、疲れやすいなど、競技パフォーマンスに影響が出てきているなぁと思った事はありませんか?
もしかしたら、そのスランプの原因はスポーツ貧血かもしれません!
貧血で体が酸素不足になると、有酸素運動の能力が低下するので持久力が下がります。
軽い貧血であれば日常生活で気づかないこともありますが、アスリートだと練習がつらくなった、思うような練習ができないと感じるようになる人もいます。
特に、持久力が必要な陸上長距離などの競技では記録低下として如実に現れるので気づきやすい場合がありますが、球技系競技では貧血になっても異変に気づきにくいことが多いようです。以前のような調子が出ない、一生懸命トレーニ ングしても結果が出ないなど、不調が続く時は貧血を疑ってみましょう。
スポーツ貧血って知ってる?
「スポーツ貧血」という言葉を聞いたことがありますか?
普通の貧血と何が違うの?スポーツ貧血って何?
貧血といえば女性がなるイメージが強いですが、スポーツ貧血は誰にでも起こり得るものなのです。
原因は?どうしてなるの?
スポーツ貧血とは激しい運動をすることで起きる貧血で、足の踵(かかと)を打ちつける衝撃で赤血球が壊され、ヘモグロビンが血球外に溶出する「溶血」によって貧血を起こします。ヘモグロビンは筋肉を動かすために酸素を送り込んでおり、そのヘモグロビンが不足することで体が酸素不足になり、いつものトレーニングがきつくなったり、思うようなパフォーマンスができなくなるのです。
昔は「行軍貧血」とも呼ばれ、軍隊で長時間歩く兵隊がよく起こしていたそうです。
現代では、陸上の長距離やサッカー、バレーボールの選手など足裏に強い衝撃を与える競技に多いといわれています。
重要なのは鉄分!!
酸素を運ぶ血液は赤血球からできており、赤血球の成分の約99%はタンパク質と鉄を材料とするヘモグロビンです。ヘモグロビン内の鉄は酸素を運ぶだけでなく、酸素を使ったエネルギー代謝サイクルにも働いています。運動をして筋肉が増えると、筋肉を動かすためのエネルギーと酸素が必要です。
激しい運動、筋肉量の増加に見合った血液、そして赤血球を必要とするため、材料となる鉄の必要量も増加します。これは成長期における筋肉の発達を伴う時にもみられます。
また、運動をすると汗をかきます。汗は塩分だけでなく、わずかな鉄分も含まれているので、大量の汗をかけばそれだけ多くの鉄分も失います。
運動による激しい衝撃や汗によって、体内の鉄分が減少し、スポーツ貧血が引き起こされるのです。
スポーツ貧血かな?と思ったら
おかしいな?と感じたら迷わず病院を受診してください。
貧血の約9割は鉄分不足による鉄欠乏性貧血であるといわれていますが、貧血には様々な原因があり、さらにそれぞれの原因に対する治療法はまったく異なるので、症状がある場合は病院を受診してください。
その他、貧血の症状がある場合も迷わず病院を受診してください。
一般的な貧血の症状
頭痛、めまい、爪がもろくなる、集中力の欠如、顔色の悪化、疲労感などのほか、口角に炎症が起きたり、髪が抜けたりします。
予防するなら食事から!特に鉄分!でもそれだけで大丈夫?
鉄分を摂取するにはバランスの良い食事が重要です。予防するためにも普段からの食事に気を配り、一流選手を目指すのであれば、定期的に貧血のチェックをするのも大事です。
貧血を予防するには、積極的に鉄分を摂取する必要があります。また、血液を作るために必要なビタミンB12、たんぱく質、葉酸も意識して食事に取り入れていきましょう。バランスよくいろいろなものを食べることで、これらの栄養素は比較的きちんと摂取できます。
鉄分については、動物性の食物に多く含まれる鉄分である「ヘム鉄」を多めに摂取するようにすると効率的だと言われています。
より運動量が増える時には、十分な量の肉類や魚類、卵、あさりなどの貝類などを使って食事のメニューを構成しましょう。
また、鉄分は良質な動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に食べると吸収率が高まるといわれています。
忙しい生活の中で、鉄分を補うためにサプリメントも効果的です。
鉄を含む食べ物
ヘム鉄
肉(レバー・赤身牛肉)、 魚(赤身魚・青魚)、貝 →吸収率 高い
非ヘム鉄
野菜、卵、乳製品 →吸収率 低(ヘム鉄の 1/5)
鉄の吸収を助ける食べ物
ビタミン C → 柑橘類、芋類
タンパク質 → 肉、魚、卵、乳製品
ヘモグロビンの合成を助ける栄養素
ビタミンB群(B12・B6 ・葉酸)、 海苔、レバー、枝豆、 モロヘイヤ、芽キャベツ、レバー、 納豆 、 ココア 、ゴマなど
バランスの良い献立を
献立例を紹介します。 ※()の中が鉄分が多く含まれている食べ物です
- レバニラ炒め(レバー)
- マグロのソテー(まぐろ)
- カツオのたたき(かつお)
- あさりの味噌汁(あさり)
- イワシの梅煮(いわし)
- ひじきの煮つけ(ひじき)
- ほうれん草のキッシュ(ほうれん草、卵)
- カキフライ(牡蠣)
これらは鉄分を多く含む食材の献立です。
この主菜の他に、ご飯にひじきのふりかけ、卵がけごはん、海苔を巻いたおにぎり
お味噌汁の具にジャガイモやサツマイモ、キャベツ、小松菜、ほうれん草
スープや煮物、サラダなどに大豆を入れる、牛乳にきな粉など、ひと工夫するだけで鉄分をより効果的に摂取することができます。
また、デザートにみかんやイチゴなど、偏食せずバランスよく食事をとることが大切ですね。
アスリートを目指す子ども達にとって、バランスの良い食事については、こちらの記事も参考にしてみてください。
最後に
でも、毎日規則正しい食事って難しいですよね。
バランスの良い食事を心がけつつ、日常的にジュニア・ジュニアユース選手専用のネルプロなど、鉄分の入ったプロテインで鉄分を補うことも効果的です。
ただ、プロテインやサプリメントのみに頼るのではなく、あくまでも日々の食事から栄養素をしっかり取るようにしていきたいですね。
参照:公益財団法人日本学校保健会情報提供事業「学校保健」ポータルサイト
コメント欄