プロ選手の親はこうしていた
■子どもの決断を認める
photo:TomenoNaoki
サッカーに挫折はつきものです。Jリーガーだって、ずっと順風満帆だったわけではありません。
親が子供の決断を尊重した例は、
・中学でクラブチームをやめ、部活に入った中村憲剛選手
・ガンバ大阪のユースセレクションに不合格後、当時そんなに有名でなかった星陵高校への入学を決意した本田圭佑選手
などがあります。親の心配は十分わかっていた、でも待ってくれてありがたかったと二人とも本の中で述べています。
もう一度出発したり、路線を変更したりする決断。人生を決断できる力を、育ててあげましょう!
■挫折している時期を見守る
photo:KC DotNet
・中学の部活の練習を1年間さぼった長友佑都選手
・高校の練習に行かず、ゲームセンター通いをしていたこともある長谷部選手
・大学サッカー部への入部を拒否され、しばらく遊び歩いていた林一章選手
長友選手のお母さんは、息子が部活に行かずに遊び歩いていたことを「知っていたけれど、黙っていた」そうです。お子さんがゲームセンターへ行ってるわよ、という近所の人に「どこに行ったかわからないんじゃなく、居所がわかるからいいわ」と言ったというエピソードがあります。
長谷部選手は、その時の考えの誤りを学校の先生や親に修正されることによって深い反省を現在に活かしています。
■子供の話を聞いてやる
photo:Mark Baylor
ブラジル代表、バルセロナ所属のネイマール選手の父親は、著書の中で「自分にできることは、子どもの話をよくよく聞いてあげることだ」と言っています。
話を聞く、というのは、対等以上の存在に対してする行為だ、と私たちの脳は認識しています。このため、話を聞いてもらうということは、「認められている」という意識として脳に届きます。親が自分の話を聞いてくれることは、自分を対等に扱ってくれるということ。自己肯定感を高める、この上ない効果があります。
おすすめの本
『ネイマール:父の教え、僕の生きかた』
(ネイマール、ネイマール・ジュニア 徳間書店 2014年)
プロ選手としてのネイマール選手だけでなく、ネイマール選手の父親の話がたくさん書いてあります。ジュニア選手のお父さんにおすすめの本です。
『サッカースターの少年時代:プロになった16人の成長物語』
(ストライカーDX編集部 学研パブリッシング 2013年)
本田選手の話は、この本に載っています。サッカーの進路を考え始める中学年から高学年の保護者の方にお勧めしたい本です。高学年のジュニア選手なら、少し漢字は多用されていますが、自分で読めます。
『デキるパパは子どもを伸ばす 今すぐ取り組める13のステップ』
(山本直美 東京書籍 2006年)
実は、2002年以前の父親の育児本というのは、ほとんどありません。「イクメン」という言葉ができたころから、父親の積極的な育児参加が始まったようです。特に低学年の選手をお持ちのお父さんにお勧めです。
『子どものスポーツ障害・こう防ぐ、こう治す 親子で読むスポーツ医学書』
(柏口新二 主婦と生活社 2008年)
子供の将来のことを考えるとき、絶対にけがのことは考えなくてはならない問題です。サッカーだけに特化されているわけではないので、兄弟で違うスポーツをしているご家庭にも対応します。基礎知識として、ジュニア選手のお母さんにお勧めです。お子さんと読むのもおすすめです。
『日本男児』
(長友佑都 ポプラ社 2011年)
サッカーに対するパッションが熱い本です。伝染力がありますので、できれば、ジュニア選手自身に読んでほしい本です。高学年なら問題なく読めるでしょう。小学校年代の話もたくさん書いてありますので、低学年のお子さんにはその章だけ読んであげるのも良いと思います。
最後に
100の家庭があれば、100の親子のタイプがあります。ここでは一般的な父親と母親について述べましたが、パワーバランスは家庭によって違うのが当然と思います。ご自分の家庭に一番合う方法を、ぜひ探ってみてください。
将来を見つめる目線を子供に与えてあげることは、「燃え尽き症候群」を防ぐことにつながります。自分の目標は目の前の試合ではないはずです。失敗も成功も、未来への一里塚です。ずっと未来に向かって伸びるお子さんの道すじを、一緒に見てあげてください。
シングルで育ててる人も大勢います。さすがに近視眼的な文章だと思いました。