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【ジュニアサッカー】デビュー前に。知っておきたい基礎知識

子供がサッカーを始めたい、というけれど、どんな世界?何をすれば?・・・と悩まれる親御さんのために、このジュニアサッカーNEWSには沢山の情報が網羅されています。サッカーを知らないことは恥ずかしいことではありません。親御さんの「これから」の不安を解消すべく、サッカーの基礎知識を最新事情とともにお伝えします。

きっかけを大切に

「サッカーをやりたい!」多くのお子さんがこの言葉で始まると思います。きっかけは「友達がやっているから」という理由が多く、小学校のグラウンドで少年団の練習を見て触発されて、ということもあります。

知らない世界に飛び込む不安はあると思いますが、お店で好きなおもちゃを買ってあげたときのように、自分から「やりたい」と言ったことは集中して取り組める確率が高いのではないでしょうか。お子さんがボールを持った時、幼くても「選手」となってサッカー人生が始まります。サッカーはチームスポーツです。親御さんもぜひ「チームメイト」となって、ここから一緒にボールを追ってみてはいかがでしょうか。


「兄」きっかけは圧倒的メリット

兄がサッカーを始めると、負けず嫌いの弟が「僕もやる!」というケースは多々あります。2018年ロシアW杯の日本代表メンバー23名のうち、なんと22名が「第二子以降」というデータがあります。大会で2試合に出場し世界を相手に戦った宇佐美貴史選手は「2人の兄がサッカーをしていた影響で、たった1歳半からボールに触れていた」というエピソードも。ボールを…というよりも、身近で偉大な「兄」を追っていたのかもしれません。

少年団?クラブチーム?

「少年団」(=スポ少)は小学校単位・地域単位ベースで作られたチームが多く、「クラブ」は企業母体・指導者などが立ち上げたものです。またJリーグには小学生~高校生の育成部門(=下部組織)を設ける決まりがあり、各クラブの「アカデミー」や「スクール」等と称されています。

環境によっては「少年団」と「スクール」の両方に通うお子さんもいます。少年団の練習は一般的に週1~2日程度ですが、ボールをもっと蹴りたい、もっと上手くなりたい!という思いから、試合には「少年団」で出場し、練習のない日にスクールで「技術を習う」というイメージです。(クラブによってはゴールキーパーコース、ストライカーコースなどポジションに特化した専門コースもあります)


ほかの習い事経験も無駄にならない

『せっかく他のことをさせてきたのに…』と、今までの苦労を思ってがっかりすることもあるでしょう。しかし、これまでお子さんが習ってきたこと、実はサッカーに活きるかもしれません。

世界的人気スポーツであるサッカー界において、簡単な英語ができれば、まずグローバル感覚はクリアです。小学生大会でも海外のクラブチームと対戦できる機会もあり、そこでコミュニケーションを取れたらきっと良い思い出になるでしょう。ピアノを習ってきたなら、リフティングやドリブルをリズミカルにこなせる可能性があります。水泳を続けて鍛えた心肺機能はサッカーで持久力につながり、足首を自然としなやかに動かせることで柔らかいボールタッチにつながります。

サッカーとは全然関係ないような「手」を使うスポーツ、例えばバレー・野球・バスケなども効果的です。全国各地でサッカー教室を開催する元プロサッカー選手の城彰二さんは「上半身をうまく使えない子が多い」と言います。そこで、ボールは使うけれども「足は使わない練習」を提唱しています。サッカーって実は足元だけのスポーツではありません。ボールを味方にパスする前に自ら「キープ」する時、バスケでのディフェンスの選手を避けるように上半身をうまく使う・・・これが小学生でできたなら、実戦でとても有利になります。

小学生までにバレーや野球を経験したり、サッカーと迷って一つに絞れず別のスポーツの少年団を掛け持ちした選手もいます。こういった選手も、地区や都道府県から優れた選手を集めた選抜チーム(=トレセン)に選ばれているのです。

また「サッカーをやりたい」と言ってきたものの、うちの子にはサッカーはまだ早いのでは?と迷ったり、入団条件の対象年齢に届かない場合があります。そんな時は水泳のほか、体操教室などもおすすめです。幼少期から怪我をしにくい体の動かし方・バランス感覚を体得できますので、先にこちらをさせておくのも手です。

 

チームの情報が知りたい!

まず、通える地域でどれだけのチームがあるのか?を、ネット等で探してみてください。ジュニアサッカーNEWSの姉妹サイト「全国少年サッカー応援団」の都道府県別リンク先にある「チーム情報」からも探し出すことが出来ます。(参考例:東京都チーム情報)公式ホームページやブログ、Facebookなどを公開しているチームも多くありますので、練習や試合について細かく様子を知ることができます。練習会の情報・大会の情報があれば、ぜひ足を運んで雰囲気を掴んで頂くことをお勧めします。

親御さんにとっても、大切なお子さんを知らない指導者に預けるというのは覚悟がいるように、お子さんにとっても勇気がいることです。学区外のチームを選び「少し遠いけれどここに入れてよかった」ということもあります。いくつか回ってみて、お子さんの気持ちの変化を汲み取りながら「楽しくサッカーできる」チームを一緒に探してみてください。


練習や試合に「つきっきり」は無理。「少年団」に所属が難しい場合

少年団やクラブに入ると、練習と試合が繰り返されます。(公式の)大会に出る上では「4種登録」と言って、日本サッカー協会に「選手登録」をすることになります。
4種=小学生、3種=中学生、2種=高校生、1種=大学・社会人・プロなどの大人枠、女子は全年代を「女子」として登録)

親御さんが忙しく毎回の練習に付きっ切りは難しかったり、幼い弟妹を連れて試合には同行できない…などの事情で入団をためらうケースがあります。平日練習の時間帯は夕方から夜にかけてが多く、これは家事が一番忙しい時間帯でもありますね。

練習の送迎だけできるなら、プロ経験や専門ライセンスを持ったコーチが週1回程度のペースで指導に当たる「スクール」(=習う)や「アカデミー」(=高いレベルを目指す)で基礎・技術を学ぶ、という道もあります。スクールでボールに触れているうちに、足元のテクニックの向上と「個性」が鍛えられていきます。高い技術が必要な「フットサル」という選択肢も、将来的に目標にしていけるかもしれません。

用語解説
「公式戦」 サッカー協会主催。応募チームが参加できる
「招待試合」チーム主催。招待されたチームが参加できる
「練習試合」(TM、TRM=トレーニングマッチとも表記される)や「親睦試合」主に指導者同士によって組まれ、互いの技術力アップや交流を目的とする。

最新データ(2017年現在)
・4種の選手登録者数  約28万人 (小1~小6)
・4種のチーム登録数 △8717チーム(増加傾向)
・女子のチーム登録数 ▼1276チーム(減少傾向)

指導者ってどんな人?

日本サッカー協会(JFA)では、指導者に対し「ライセンス制度」を設けています。監督やコーチなどは、県や地域のサッカー協会が主催する講習を受けた上でライセンスを取得したり、審判資格を取ったりして真剣に「教える」ことに向き合っている方々です。技術指導はもちろん、選手の育成に関わるメンタル的な部分についても指導ができるよう教育されています。

小学生年代の指導者講習では、低学年・高学年と年齢別のテキストが用意され、より専門的に学んでいきます。また、ライセンス取得後も「更新」講習を毎年のように受けていて、新ルールや時代にあったサッカーを子供達に教える努力もしています。

プロの選手って人格、インタビューの受け答えなどもカッコよくて立派だと思いませんか?そういった選手は、必ず良い指導者についてきています。指導者はサッカーを通じて成長を支えてくれる、大切な存在なのです。


あの元Jリーガーも!

怪我などで若くして引退してしまった選手、または引退間もない選手のセカンドキャリアとして、Jリーグの下部組織・クラブチームのジュニアでコーチとなるケースが多くあります。直近までプロだった選手がそのまま下部組織へと在籍して直接教えてくれたり、コーチにならずにチームのフロント(内部組織)に入った選手が、スクールに顔を出してくれることもあります。
「子供達に夢を与えたい」と頑張るサッカー選手は引退してもなお、子供達に夢を持たせたいという思いを持ち続け、勉強しながらサッカーに携わり、指導者の道を歩んでいるのです。


ジュニア世代の指導者のライセンス

「公認キッズリーダー」 U-10の指導者
「公認C級・D級コーチ」U-12の指導者
「公認A級コーチU-12」  U-12指導のリーダー
ちなみに「B級」はU-16世代、「A級ジェネラル」はU-18以上、トップの「S級」はプロ選手の指導者(監督)など となっています。

参照・引用:日本サッカー協会

「移籍」は多いにアリ

サッカーを始めてみたものの、お子さんがなんとなくフィールドで輝いてないな・・・練習に行き渋っているな・・・そんな時は思い切って「移籍」を考えてみましょう。

人との相性差は大人に限らず、子供も同じです。レベルに合った環境や寄り添ってくれる指導者、チームの雰囲気がお子さんにあっているかどうか…は非常に重要な部分です。興味を持てるチームに出会ったら、まずは体験練習への参加に動いてみましょう。

中・高学年になるとJリーグの下部組織(=「ジュニア」と呼ばれるチーム)の選抜試験を受けて「移籍」するのが当たり前、という地域もあります。サッカーが好きだからこそ感じるチーム内での違和感など、お子さんが発するサインに親御さんが気付いて移籍し、成功した事例もあります。

「親」が支えるべきこと

サッカーについて全くわからず、一緒にボールを蹴るのはちょっと・・・とためらう親御さんもいるはずです。何をしてあげたらいいか、それは得意なことで良いのではないでしょうか。例えば、料理が好きな方なら栄養サポートに回ってみてください。ファッション関係なら得意!という方であれば、練習着選びにこだわってもいいでしょう。親子でサッカー観戦、アプリなどで一緒にサッカーゲームをプレイすれば「戦術」「ゴールへのイメージ」を自然に取り入れることができそうですね。一緒に楽しんで、わからないルールはぜひお子さんに聞いてみてください。

練習や試合の後、話を聞く時間をもつだけでも良いです。お子さん自身が自ら話すことで、反省点や目標が見いだせるかもしれません。自信が持てるようになり、試合で周りに気を配れる余裕が出てきて、チームを引っ張っていける存在になれます。

また、お子さんが頑張っている姿は見てあげたいけれど、1~2時間の練習を毎回じっと見ているのは正直しんどい・・・という場合。状況にもよりますが、可能であれば一旦自宅に戻ったり、買い物などの用事で抜けても良いと思います。特に地方のサッカークラブになると、週に1~4日、往復数十キロを車で送迎することもあります。「疲れちゃうから練習中は車で寝る」と割り切るのも全然アリです。練習後に待っている食事の支度や洗濯に備え、親御さんもしっかりと充電されてください。


サッカーを始めるための心の準備はできたでしょうか?
次のページでは、試合やケガ・進路など、いざという時に慌てないための “心構え” をご紹介します。

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSWritermayu
約1年半の間に、東北・関東地区など数県を担当しました(2019.9退職)

沢山の情報をお寄せいただいた皆さま
取材に快く丁寧に応じていただいた選手、指導者の皆さま
サイトに幾度となく訪れてくださった皆さま
本当にありがとうございました。

未来ある多くの子供たちが、これからも
楽しくサッカーを続けられますように。

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