(この記事は再掲です)
ジュニアサッカーNEWSでは、全国各地の指導者・トレセンスタッフの方々に電話取材を行い、保護者の皆さんに代わってトレセンについてのさまざまな疑問や質問をしています。
今まで、トレセンってホントのところどうなんですか?ということと、受かりやすい理想の選手像というのはあるのか、実際どんな選手が選ばれていくのかについてのインタビューを紹介してきました。
実際どんな選手が選ばれていくのか?について、保護者の方々の疑問「自分のチームでやってるときは上手だな、と思うんだけど選考会に行くと落ちてしまう子がいる」という声を検証してみました。
※下記の意見は、サッカー協会の示す公式な見解ではありません。あくまでも一つの意見として参考にしてください。また、サッカー協会へのお問い合わせ等はお控えください。
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2022.9.27 ご意見いただきました!
その前にトレセンに参加の声がチームからかからない。普段、練習・試合を見ている若手のコーチの意見を聞かず上のコーチが決めてしまう。トレセン日もトレセンメンバーもコーチ同士で共有されてない。トレセンなんて気にしないで先を見てプレーしようと子供には伝えている。誰も見てなくても神様は見ている、だから手を抜くなと。かといって何かのタイミングで声がかかるのもご縁。そのチャンスを逃さないようにとも。
「うまい子でも選ばれない」のか?
指導者・トレセンスタッフに聞いた結果、ほぼ全員の方が「そういうことはある」という回答でした。
素人考えだと、「うまい子=選ばれる子」となりがちです。チームのエースとしていつも活躍している子が選ばれなくて、いつもは目立たない子が選ばれる。が、そんな単純な図式では説明できないことが選考会会場では起きるというのです。
インタビューをまとめてみた結果、選ばれない理由は大きく分けて4つほどありました。
1.印象に残らない。
2.メンタルが弱い。
3.話が聞けない。
4.「アピール」を勘違いしている。
これらについて、実際の指導者の方々の声と打開策をまとめてみました。
今週は1番目の「印象に残らない」と2番目の「メンタルが弱い」を合わせてお届けします。
1.印象に残らない。
選考方法として、投票制、ポイント制を採用しているところも多いようです。
投票制・ポイント制の選抜方法
1次選考から2次選考へ、最終選考へと進んでいく時にスタッフ全員の総意で決める方法です。
スタッフが選考会中ビブス番号を記載した名簿をもって巡回し、良いと思った子にチェックを入れます。
選考会の後でスタッフが集合して、ビブス番号を読み上げていきます。その番号にチェックを入れたスタッフが手を上げます。1人だと1ポイント。5人が手を上げれば5ポイントとなります。
今回伺った地域は、チェックの数には上限がないところが多かったですが、1人あたりのチェック数に上限があるところもありました。
トレセンのスタッフは選考会において30人~90人程度をいっぺんに見なくてはなりません。8人で行うミニゲームを4面で行うとしたら、総勢64名のプレーをチェックしなければなりません。その中から選ぶのは、やはり「印象に残る子」のようです。
では、印象に残るにはどうすればいいのでしょうか。
どうすれば印象に残れるの?
無難に終われば、失敗もしません。ですが、失敗もしない代わりに印象にも残りません。チャレンジにはもちろんリスクも伴いますが、選考会というプレッシャーに打ち勝ってチャレンジができる子が印象に残りやすいようです。
2.メンタルが弱い。
グループに分ける。そこで自分の一番やりやすい場所を主張できない子は不本意なポジションで出ることになります。いつもチームの中で前がかりのポジションにいる子が、いきなり守備になっても何をしたらいいかわからなくなって立ち往生してしまうこともあるといいます。
自分のやりたいことをきちんと主張し、ほかの人の意見も取り入れつつ自分の望むように無理なく周りを動かしていく。この主張ができない子は選考会で100%の力は出せません。
5人制のミニゲームに6人を投入する意図
5人制のミニゲームに6人を投入してどのように決めるか、という選考を行っているというトレセンコーチに伺いました。3ゲーム、交代は制限なし、だれが出るかは自分たちで決めなさい。というルールです。このルールを最初にアナウンスして子供たちの対応を見ているそうです。
するとあるとき、「じゃんけんで出る順番を決めよう、1試合ずつ交代しよう」という子がいました。その子の意見は通り、全員でじゃんけんをしました。
何が起きたでしょう?
じゃんけん自体は悪くない方法なのですが、予定されていた試合は3ゲームです。
3ゲームすべて出られた子が3人。
2ゲームにしか出られなかった子が残りの3人。
どちらが選考スタッフの目に止まることが多かったかは言うまでもありません。最初のじゃんけんで負けてしまった3人は、勝った3人よりもチャンスを1試合まるまる逃してしまったのです。
1試合交代ではなく、3回ボールに触ったら交代などのルールにしておけば全員が3ゲームに関われたかもしれません。そのような決め方もすべて含めての選考なので、試合数が少なかった子についての救済措置はありません。
おかしいな、と思ったときに「ちょっと待って」といえるメンタル。そして、それだと公平にチャンスは来ない、ということに気付ける頭。それらも含めて選考の対象となるようです。
メンタルの部分はジュニアだと大人が思うよりも大きく選考結果を左右してしまうようです。
※上記の意見は、サッカー協会の示す公式な見解ではありません。あくまでも一つの意見として参考にしてください。また、サッカー協会へのお問い合わせ等はお控えください。
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※コーチ、指導者の方で取材に応じてくださる方がいらっしゃった場合、その旨と連絡先をご記載ください。こちらからご指定の連絡先に連絡させていただくことがあります。
最後に
「受かる、落ちる」が正しいのか。「選ばれる、選ばれない」が正しいのか。表現する立場として、そこからすでに難しい。それがトレセンなのだなあと、シリーズ公開から頂くコメントを前に考えています。コーチたちのインタビューはできるだけそのままをお伝えしています。
メディアの立場として、公正に伝えたい。そのためにはたくさんの方の意見をお伺いしたいです。ご意見お待ちしています。保護者の方々も、思うところがあれば下のコメント欄から投稿お待ちしています。
来週は3番目の「話が聞けない」と、4番目の「アピールを勘違いしている」を合わせてお届けします。
福岡県トレセンから九州トレセン選抜直後にこの記事はどうかと…。