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クラウドファンディングでスペインへ! 18歳の覚悟 松本京之介選手が踏み出すプロサッカー選手への道

「スペインでプロサッカー選手になりたい」
夢に向かい、自らの力で大きな一歩を踏み出したサッカー選手がいます。

この春、高校を卒業したばかりの松本京之介選手、18歳。
200人以上の支持を受け、スペインで挑戦するための資金を集めることに成功しました。

その強い意志、行動力とは。
今後のビジョンや計画とは。

将来、海外での活躍を目指すサッカー少年にもぜひ読んで欲しいインタビューです。

zoom取材/文:Crane 写真提供:松本京之介選手

お話を聞いた人

松本京之介選手

18歳。2025年3月に興國高等学校(大阪府)を卒業。

中学2年生の時、新型コロナウィルス感染拡大の影響で引退試合を失った先輩のため『ぼくらの中学ラストマッチ』を企画。
翌年、緊急事態宣言下の中学生向けに『ぼくらの中学ソサイチカップ』を開催。
会場確保から感染予防対策、参加チーム・協力者集めまでをほぼ一人で奔走した。

2025年2月、クラウドファンディングで230万円以上を集め、現在スペイン渡航準備中。

答えはスペインにある

ーーープロサッカー選手を目指している松本選手はその挑戦の場として、スペインを選びました。なぜ、スペインだったのでしょうか?

松本京之介選手(以下、松本)
小学生と高校で2度のスペイン遠征を経験し、論理的でフィジカルに頼らないサッカーに魅了されたことが始まりです。

バルサアカデミー福岡の一員として出場した国際大会では、日本代表としてスペインチームに完敗。ボコボコにやられました。
動き出し、身体の使い方、オフザボールの動きが段違いで、ボールを持った瞬間からゴールを意識して繋ぐ。
とにかく頭をフル回転させているんです。
同じ小学生がそれを出来ていることに驚きました。

スペインの選手は相手の目線を気にしているんですよね。

守備をする時、ボールとマークの両方を完璧に見られない時があるじゃないですか。
その一瞬で相手にスッと剝がされる。
同じ形で3回やられて、”自分の目線を読まれている”と気付きました。

彼らは自分が気づいていない何かを見ている。だからこそ脅威になる。
きっと目線以外にも意識していることがあるはずです。

それが何なのかを知るためには、現地に行くしかない。

だから僕はスペインを目指し、行動し続けています。

逆算思考で夢を掴む

ーーースペインではどのようなステップで夢を叶えていくのでしょうか。

松本
スペインのリーグは1部から10部まであり、4部以上が“プロ”のリーグ。
4部に上がればサッカーだけで生活できるようになります。
3部はJリーグ相当、2部・1部には日本代表クラスの選手もいます。

5部、6部からスタートを切り、1部を目指す。
最終目標はチャンピオンズリーグでプレーすることです。

目標に向け、22歳を一つの区切りと考えています。
大学進学組がプロを決断する年齢。その時、自分がどこにいるのか。

夢を追い続けるのか、新たな道を選ぶのかをしっかりと見極めたい。
自分を追い込むためにも、22歳をひとつの区切りと決めているんです。

ーーーしっかりとした計画があることに驚きました。いつ頃からそう決めていたのでしょうか?

松本
中学2年生の時です。

中2の時、コロナ禍で引退試合がなくなった中3の先輩方のために「ぼくらの中学ラストマッチ」を企画したんです。
参加チームを募り、福岡フットボールセンターで開催しました。
バルサアカデミー福岡からはイニエスタ選手のサイン入りユニフォームや参加賞として多くのバルサグッズを、アビスパ福岡からは試合球と桑原海人選手のサイン入りスパイクを頂きました。
他にもクラブチームや関係各所から多くのご支援をいただいて開催できた大会です。

この時、たくさんの方々とお話したことを通して、プロの世界の厳しさを知ることができたんです。
それをきっかけに、本気でプロを目指すなら、どう行動すべきかを深く考えるようになりました。
日本代表の多くは海外経験があり、早くから海外を経験しないとプロで戦うのは難しい。
高校卒業後はスペインへ行こうと決意しました。
プロのサッカー人生は長くはない。
だからこそ、残された時間を逆算しながら生きることが大事だと思ったんです。

“自分にはもうこれだけしか時間がない”という意識は、中2の頃からずっとありました。

「恐れ」より「支え」を

ーーークラウドファンディングという方法を取ったのはなぜでしょうか?

松本
資金面では、親には頼らないと決めていました。
プロを目指す以上、いつまでも親のスネをかじるわけにいかないと考えたからです。

高3の時、どうすれば自力で資金を集められるか考え抜き、アルバイトとクラウドファンディングに行き着きました。
年明け(2025年)から準備を始め、2月の1か月間で実施しました。

ーーー簡単ではなかったと思います。どのように進めていったのでしょうか?

松本
まずはSNSでの発信を強化しました。

Instagramの方向性をしっかり定め、練習や試合の動画を継続的に投稿。自分の存在を知ってもらうことから始めました。

最初は周囲も驚いていましたが、次第に部活の仲間も拡散してくれるようになり、フォロワーがどんどん増えていきました。
現在は7600人となり、クラウドファンディングの信用にもつながったと思います。

ーーークラウドファンディングを通して、どんなことを感じましたか?

松本
このクラウドファンディングは「お金を集める」より「仲間を集める」ことを重視して始めました。
親や自分だけの資金で行くのと、200人以上の仲間に支えられて行くのでは、重みが全く違います。多くの仲間の存在が、より強い覚悟につながりました。
心無い言葉を受けることもありましたが、それも覚悟の上。批判よりも応援してくれる人の気持ちを大切にしたかったんです。

暴言を受けても守ってくれる人がいて、その支援が何よりの力になりました。
支援者の中には、お世話になった方々や中学、高校時代の仲間もいます。
多くの方の応援に心から感謝しています。

これはもう僕一人の夢ではありません。
スペインでプロになり、応援してくれた全ての人に恩返しします!

「この夢はもう、僕一人のものではない」
松本京之介選手を応援しよう!

松本選手の公式HPはこちら!

200人以上の支援を得たクラファンページはこちら!

松本選手が中2の時に企画した「中学ラストマッチ」HPはこちら!

最後に

「興国高校への進学を決めたのも、スペイン遠征があるからなんです」

小学生の頃からスペインサッカーに魅力を感じ、夢に向かって真っすぐに行動してきた松本選手。
18歳はもう成人と言い切り、強い意志を行動に移す。
決断にスピード感がありながら、未来における計画はとても綿密です。

批判を気にするより、支えてくれる人の言葉を大事にしたいという持ち前のポジティブさには、人を勇気づける力があると感じました。

「今回、このような機会を頂きありがとうございます」
取材の終わりにそう言って笑顔を見せてくれた松本選手。

素直で誠実。人を思う温かい心にはアイディアに溢れている。
そんな人柄がうかがい知れ、多くの人々に愛される選手なのだと感じました。

夢を叶える一歩を踏み出した松本選手を応援しています!

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSテクニカルマイスターWriterCrane
滋賀県在住ライターのCraneと申します。
2022年8月にライター歴5年目に突入、サッカー娘の母歴は丸12年になりました。

どんな試合でも、その一戦を迎えるまでにどれほどの努力があったのか。そしてそこに、どれほどの方の支えがあったのか。

頑張っている選手達、それを支える保護者、指導者の皆様が持つ数多のドラマに想像を張り巡らせてはリスペクトが泉のように湧き上がる日々。
涙腺も年々緩くなり、留まることを知りません。

8チームから12チームくらいの規模の大会、16チーム以上の大きな大会ともに情報は常に募集しています。
大会結果画像、弾けるような笑顔のお写真、選手達のご活躍の様子をぜひお寄せ下さい。いつでもお待ちしています!

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