スポーツをしている子=タンパク質が必要!と、食べさせすぎてしまっていませんか?
「子供は成長するから肉や魚でタンパク質をたくさんとらないとダメなんですよね」
「サッカーしているから、さらにたくさん食べないといけない」
「子供の食が細く体も小さいのでプロテインを飲ませてます。」
でも、タンパク質は取りすぎるとスタミナ低下してしまうんです!!
スタミナが低下しないタンパク質の摂り方を覚え、子供のスタミナアップを応援してあげてください!
タンパク質の重要度はどのへん?
食育に興味があるからこそ、食事バランスガイドの図を頭に入れ子供のためにと一生懸命タンパク質を摂らせている保護者の方は多いと思います。
ですが、この下の図を見てください。
タンパク質は下から2番目の場所にありますね。
イラスト(参照・引用 農林水産省 HP)
ほかの食材との栄養バランスや、全体的な量を考えずにタンパク質だけを増やしてしまうと、実はちょっと困ったことが起きる可能性があるのです。
タンパク質をとりすぎると、何が困るの?
スタミナが低下します
タンパク質を摂取すると、小腸で吸収され肝臓で体に必要な物質に変えられます。
タンパク質が消化されるまで肝臓は筋肉を動かすエネルギーの元(グリコーゲン)やアミノ酸(筋肉のもとになる)を全身の細胞に運ぶ働きを後回しにしてしまいます。
その結果、筋肉を動かすエネルギーが供給されにくくなります。これが「スタミナ低下」です。供給が間に合わなくなって、ガス欠になった状態が「スタミナ切れ」です。
骨が成長しにくくなる可能性も?
タンパク質は摂りすぎると「排泄の時にカルシウムを一緒に排泄してしまう」という困った点があります。カルシウムは骨の原料になる成分なので、成長期では身長の伸びに影響がある可能性があります。
食事から得られるエネルギーのうちタンパク質から得られるエネルギーが20%を超えると骨量の減少や糖尿病の発症リスクが上がる調査結果もあります。
体を大きくしたいとタンパク質を過剰に食べさせるのではなく、食事はバランスよく食べることが大切なんですね。
(参照・引用 医療プレミア HP)
(参照・引用 厚生労働省 HP)
タンパク質の適量について
では、タンパク質摂取の適量とはどれくらいなのでしょうか。
「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省が定めている日本人が摂らなければならない、エネルギーや栄養素の基準値を定めているもの)によると、
男子(推奨量:g/日)
8〜9歳 40g
10〜11歳 50g
12〜14歳 60g
15〜17歳 65g
女子(推奨量:g/日)
8〜9歳 40g
10〜11歳 50g
12〜14歳 55g
15〜17歳 55g
となっています。
ただし、アスリートになるとこれだけの量が必要になります。
体重
20㎏ 24~40g
30㎏ 36~60g
40㎏ 48~80g
50㎏ 60~100g
60㎏ 72~120g
70㎏ 84~140g
定期的に運動をしていたり、競技向上のためにトレーニングを行なっている人は、体重1㎏あたり1.2~2.0gのタンパク質が必要だと言われています。
1.2と2.0ではだいぶ幅がありますが、競技の内容やトレーニングの内容により変化するので、体調を見ながら調節してください。
あくまで過剰に摂取した場合に限り「スタミナが低下してしまう」ので、推奨量を超えない量は是非摂ってください。
食事でまかないきれない量は、プロテインなどを活用するのもいいですね。
でも実際のメニューにするとどのくらいの量なの?と思ってしまいますね。
具体的なメニューを見てみましょう。
【メニュー/タンパク質量】
ごはん300g(丼1杯)/7.5g
牛もも肉 脂身なし100g/19.5g
紅鮭70g(1切れ)/15.8g
納豆1パック/12.4g
牛乳コップ2杯/13.2g
合計/68.4g
意外にも普通の食事でまかなえる量なんですね!
Photo:Tsuyoshi a.k.a.244
質の良いタンパク質って?
せっかくなら質の良いタンパク質を摂らせたいと思うのが親心ですよね。
タンパク質は消化の過程で20種類のアミノ酸に分解されます。そして良質なものであるほど体内での利用率が高く、必要なところでタンパク質として再合成されます。
質の良いタンパク質とは?
タンパク質から生成されるアミノ酸には、体内で生成できるアミノ酸(必須アミノ酸)とできないアミノ酸(非必須アミノ酸)があります。
タンパク質の栄養価は、含まれる量・そして必須アミノ酸の割合によって示されます。同じタンパク質量を含む食品でもアミノ酸の構成はそれぞれ異なり、体内で作り出すことができない必須アミノ酸がバランスよく含まれているものが「良質なタンパク質」とされています。その目安となるのがアミノ酸スコアです。
アミノ酸スコアとは?
その食材に含まれるタンパク質の中で、体内で作り出すことができない必須アミノ酸9種類が含まれる割合を示す数値です。スコアが100、または100に近いほど良質なタンパク質といえるものになります。
食事に取り入れやすくアミノ酸スコアの高い食品を覚えておくと、良質なアミノ酸を含むバランス良い献立を立てることができますね。
ではどの食品のアミノ酸スコアが高いのか、見てみましょう。
【アミノ酸スコア/食品】
- 大豆/100
- 卵/100
- 牛乳/100
- 牛肉/100
- 豚肉(豚肉、豚レバー)/100
- 鶏肉(鶏肉/鶏レバー)/100
- 魚類(あじ、あなご、アマダイ、あゆ、いわし、カツオ、カレイ、鰹節、鱚、金目鯛、鮭、ブリ、フグなど/100
- プロセスチーズ/91
- 里芋/84
- ブロッコリー/80
- 精白米/65
- 食パン/44
- うどん/41
卵や魚や肉類はタンパク質摂取の代表的な食品ですが、アミノ酸スコアも高い食材だったのですね!
これからは自信を持って食べさせてあげられますね!
(参照・引用 グリコ POWER PRODUCTION HP)
質の良いタンパク質を手軽に摂る方法
アミノ酸スコアの低い食品にアミノ酸スコアの高い食品を合わせて食べることで栄養価を上げることができます。
例えば、塩おにぎり(精白米/65)を、鮭おにぎり(魚/100)に変えるとアミノ酸の栄養価が上がります。
ご飯(精白米/65)に納豆(大豆/100)、サンドイッチ(食パン/44)の具を卵(卵/100)やハム(豚肉/100)にするなど、ちょっと気にするだけで質の良いタンパク質を摂ることができますね。
アミノ酸スコアが高く調理不要の食材を買い置きしておくと便利です。
普段の献立に足して、質の良いタンパク質摂取を目指しましょう!
- ゆで卵(卵/100)
- サラダチキン(鶏肉/100)
- 牛乳、豆乳、ヨーグルト(牛乳/100)
- チーズ(プロセスチーズ/91)
- お魚の缶詰(魚/100)
- 納豆(大豆/100)
(参照・引用 グリコ POWER PRODUCTION HP)
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最後に
タンパク質はご飯やパンにも含まれており、バランスの良い食事をしていたら適量が取れるということがわかりました。
私も自分の子供の食が細く小柄なので、タンパク質を摂らせることに必死になっていましたが、これからはもう少し穏やかに食事ができそうです。
素早い疲労回復のために運動後30分以内に「炭水化物」「タンパク質」を取ると良いと言われていますが、これからはアミノ酸スコアをちょっと気にして「鮭おにぎり」「ツナマヨおにぎり」「ハムサンドイッチ」などを食べさせようと思います。
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