令和5年度第47回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会が群馬県各地で開催された。準決勝、決勝は東京都の味の素フィールド西が丘で開催され、決勝戦はFC東京 vs ガンバ大阪のクラブユース史に語り継がれるレベルの好試合が行われ、PK戦によりガンバ大阪ユースが見事優勝に輝いた。
今大会は現地で配信も担当していた私が、現地で観戦していた試合のみに絞って特に輝いていた選手を8名ピックアップして紹介しようと思う。
7/23 予選Aグループ サガン鳥栖 vs 栃木戦
サガン鳥栖 4番 DF 松川 隼也
突出した対人能力が武器のディフェンダー。 この試合ではチームに終始安定感をもたらしていた。
特にペナルティエリア内のディフェンスは圧巻で、相手のFW陣をピッチ脇に追いやるような強靭なフィジカルでボールを幾度となく刈り取っていた。
ビルドアップ時にも積極的に前線でポジショニングを取り、相手の陣形を崩すようなプレーを繰り返していた。
【サガン鳥栖 vs 栃木SC戦 ハイライト】
https://youtu.be/0SQlkjw5iB4
7/24 予選Cグループ 鹿島アントラーズ vs いわきFC
いわきFC 10番 大河原 秀速
力強い縦突破が持ち味の選手
相手の立ち位置が悪いと判断した時はボールに触れず裏街道で相手を置き去りにするクレバーさも持っている。
この試合は鹿島がボールを持ち試合を支配していたが、大河原選手は一人孤軍奮闘して左サイドを幾度となく突破し、鹿島ディフェンダー陣を終始混乱させていた。
今後の成長次第では、全国トップクラスにもなり得るのではないかというポテンシャルを秘めている。
【鹿島アントラーズ vs いわきFC戦 ハイライト】
https://youtu.be/6zXHCI0OZ9s
7/26 予選Eグループ 名古屋グランパス vs 横浜F・マリノス
横浜 F・マリノス 32番 FW エルシャターブ ブライト 海
終始、全線での動きだしを繰り返し相手の裏を突くのが武器 こぼれ球の反応速度も武器にしている。
後半31分のミドルシュートは惜しくも左ポストに弾かれたが、シュート前のポジショニングは抜群でフリーのなり方がかなり上手い印象。
体の身のこなしもしなやかで、これからフィジカルもつけばプレーの幅がかなり広がるポテンシャルも秘めている。
【名古屋グランパス vs 横浜F・マリノス ハイライト】
https://youtu.be/tGm_UIW2g7s
ラウンド16 7/27 大宮アルディージャ vs 鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズ 40番 MF 小倉 幸成
終始中盤の底から鹿島アントラーズの攻撃をコントロールしていた。
中盤の底で重要な「動きすぎず、かついつでもボールを受けれる準備」を終始していた。
40番を背負っている事からもベンチにも入っている小笠原コーチを意識しているのではないかと思えるくらいフィードも上手い。
【大宮アルディージャ vs 鹿島アントラーズ戦 ハイライト】
https://youtu.be/SMWOJAABXXY
準々決勝 鹿島アントラーズ vs 清水エスパルス
準決勝 FC東京 vs 清水エスパルス
清水エスパルス 14番 MF 西原 源樹
年代別日本代表にも選ばれるほどの逸材
準決勝を見た印象として、香川真司のようなボールタッチと、三笘薫のような大きなスライドから生まれる縦突破を持つドリブラー。
また決定力もあり、準決勝の清水の2得点は全てこの選手から生まれた。
準々決勝 鹿島アントラーズ vs 清水エスパルスの前半35分の縦突破は圧巻で、まさに三笘薫を見ているかのような爆発力で鹿島ディフェンダー陣を中央からぶっちぎっていた。
これからの成長次第ではA代表のウイングは彼が務めるのではないかという期待も抱かせてくれるお金を払ってでも見にいきたくなる選手。
準決勝 FC東京 vs 清水エスパルス
決勝 FC東京 vs ガンバ大阪
FC東京 9番 山口 太陽
FC東京の攻撃の軸を形成する万能フォワード
年代別代表にも選ばれる逸材
レヴァンドフスキのようにポストプレーも可能。ヘディングでも、足でも得点できる万能ストライカー。
相手を背負った状態でトラップしてからの反転スピードが凄まじく早く、そこから繰り出されるシュートもパンチ力がある。
常にゴールを狙っており、相手の僅かな隙も見逃さない。
得点の『匂い』を感じ取れる事のできる選手。
【準決勝 FC東京 vs 清水エスパルス 試合動画】
https://youtube.com/live/10nTO3bEaBo
準々決勝 ガンバ大阪 vs 大分トリニータ
準決勝 ガンバ大阪 vs ファジアーノ岡山
決勝 FC東京 vs ガンバ大阪
ガンバ大阪 FW 24番 安藤 陸登
和製インザーギ 得点に貪欲な純正ストライカー
常にゴールを狙う野生的なストライカー。 観客を常にワクワクさせる選手。
決勝戦の前半25分のペナルティエリア外枠いっぱいで受けてからの迷いのない一振りは圧巻で、ゴールに体が向いた瞬間シュートが放たれたイメージ。
コースもシュートスピードも申し分なく、ザ・ストライカーというプレーを幾度となく見せつけてくれた。
ガンバユース出身選手特有の「膝下の早い振りとシュートを打つタイミングの上手さ」も兼ね備えている。
準々決勝、準決勝、決勝全てで得点を決めており、今大会で1番得点を決める雰囲気を醸し出していた。
ガンバ大阪優勝に導いた立役者。
【決勝 FC東京 vs ガンバ大阪 試合動画】
https://youtube.com/live/eOmpRdoF_W8
決勝 FC東京 vs ガンバ大阪
FC東京 10番 MF 佐藤 龍之介
FC東京の中心的選手 年代別代表に選ばれる逸材 ※決勝戦後プロ内定!!
ドリブルを武器としており、イメージとしては中島翔哉が一番近い。相手が予測しずらいプレーを連発する。
特に圧巻だったのは、決勝 FC東京 vs ガンバ大阪 延長後半8分25秒と9分35秒
延長後半8分25分のプレーは、右から入った浮いた球を相手を背負った状態で右足でトラップして前を向き、相手をキックフェイントで転けさせてからのシュートだった。惜しくもシュートは左に逸れたが、観客も食い入るように見た圧巻のプレーだった。
延長後半9分35秒のプレーは凄すぎてハイライトを確認しても1回では何が起こっているのかわからないくらいの衝撃的なプレーだった。
右サイドで9番のポストプレーから落としたボールを佐藤が受け取ると、4人に囲まれた状況をキックフェイントなどを細かく入れながらペナルティエリアに侵入し、シュートまで持ち込んでしまった。
今大会を通して一番の衝撃はこの選手だった。 大会のMIPも受賞している。
【決勝 FC東京 vs ガンバ大阪 試合動画】
https://youtube.com/live/eOmpRdoF_W8
上記の8選手以外にも紹介しきれないほど優秀な選手が沢山いる大会だった印象。
決勝戦は個人的にも今まで見たユース年代の試合の中でも最高の決勝戦だったと言っても過言ではなかった。
この素晴らしい大会から多くのプロ選手が排出されることを願っている。
コメント欄