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【インタビュー】岡山県勢初の全国制覇「決勝戦はのびのびと」岡山学芸館高校サッカー部 高原良明監督

2022年度第101回全国高校サッカー選手権大会 全国大会は決勝で岡山代表の岡山学芸館高校が京都代表の東山を3-1で破り、同校初、そして岡山県勢初の優勝を飾りました。

岡山学芸館高校は冬の全国高校サッカー選手権大会でここ4年間で3回全国大会へ出場、また夏に行われた2022年全国高校総体インターハイでは2021年に続き2年連続でベスト8入りを記録しています。
全国大会常連校、そして全国トップクラスの強豪校へと確実にステップアップを続けている印象がある中での鮮烈な優勝でした。

右肩上がりの上昇気流に乗る岡山学芸館高校を率いる高原良明監督にインタビューを行いました。

(取材/文 江原まり,写真は岡山学芸館高校サッカー部提供

お話を伺った人
岡山学芸館高校サッカー部
高原良明監督

高原良明監督(43)
福岡県出身
選手歴:東海大学附属第五高校(現 東海大福岡)-東海大学-ファジアーノ岡山(2005~2006)
2003年 岡山学芸館高校サッカー部コーチ就任
2008年 同部監督就任
2022年 監督就任15年目 全国高校サッカー選手権大会全国大会 優勝

決勝戦はのびのびと

ーーーまずは全国優勝おめでとうございます!
決勝戦前、選手の皆さんはどんな様子だったのですか?

高原監督
決勝前は、本当にのびのびとリラックスした雰囲気でしたね、選手たちもスタッフも。
もう、試合が楽しみでしかなかった感じです。

むしろ1回戦の方が硬さがありました。
選手権の直前に、夏のインターハイ優勝チームである前橋育英さんに試合をしていただいて調整をしました。
ボロボロにやられて落ち込んで選手権に入るのか、どうなるかなと賭けの部分もありましたが、試合は1-2で負けたものの、ある程度できる、という自信を持って大会に臨みました。

それでもやはり初戦ということで1回戦はプレーや雰囲気も硬かったです。
そんな中、みんなで話をしながら緊張を和らげていった感じです。
普段からすごく仲の良いチームなんです。
レギュラーから控え選手までみんなすごく仲が良いです、お互いがお互いの気持ちを理解しているというか。

ーーー今年のチームの特徴を教えてください。

高原監督
今年のチームは全員がハードワークができ、攻守の切り替えの速さがあるチームでした。
ハードワークや切り替えの部分は全員が同じ意識でできていたと思います。
前にスピードがある選手がいて、ゴールに向かっていく推進力があるチームでしたね。
普段から縦に速いボールポゼッション、ゴールにどれだけ向かえるか、シュート数などにはこだわってやってきました。

ーーーなるほど、日頃培ってきたスピード感あるサッカーに加え、選手同士の仲の良さが高い緊張感を伴う全国大会の舞台でも自分達のサッカーを出し切るために良い効果を生んでいたんですね。
良い効果といえば、2022年4月から高原監督の母校である東海大福岡(当時は東海大学附属第五高校)の総監督を務めていた平清孝氏をGMに迎えられました。
恩師の平GMが共に戦っているというのはいかがでしたか?

高原監督
(平先生が去年までいた)東海大福岡には毎年、夏1回、春1回の東海フェスティバルに加え、インターハイや選手権前など大体年3回はお邪魔していて。
やはり安心感がありますね。
平先生は普段は毎日練習にも来て、周りを歩きながらトレーニングを見ているのですが、個別に選手にアドバイスや指導をしてくれています。

特にメンタル的なこと、大事な試合への入り方やモチベーションの高め方について生徒によく話してくれます。
一緒にベンチに入っていても、平先生が45年間高校サッカーで勝負して感じてこられた、勝負どころであったり、危険な時間帯、こういうプレーの後のこの時間帯は危険なんだよといったセオリーなどを話してくれます。
ここのセットプレーは足を動かさせた方がいいよとかアドバイスをくださるんです。

かといって変な口出しをすることもない。
本当に心強い存在です。

自分達の望むサッカーをやり続けて

ーーー岡山学芸館は夏のインターハイに特に強い印象があります。 2016年からの7年間のうち4回岡山県内で優勝(2020年はコロナで大会中止)されていて、ここ2年の2021,2022年は全国ベスト8に進出しています。
右肩あがりの成長の転機などはあったのでしょうか?

高原監督
これをするようになって劇的に勝てるようになったということは特にはないですね。
自分達が思う、望むサッカーをやり続けてきました。
それに結果がついてきた、という感じです。

OBたちが結果を出してくれて、徐々に選手たちにプライドが生まれたりしてきた面はあります。
基本のベースが昔のチームに比べると上がり、目標自体が上がってきました。
基準値が上がってきたというか。

今年のチームは全国ベスト4以上を目標にしてきたので、練習でも日々それなりの強度が必要です。
それで本当にベスト4いけるのか、というようなモチベーションの高め方はしてきましたね。
目標設定することはとても大事な要素かなという気はします。

ーーー岡山学芸館高校サッカー部、高原監督の下でサッカーがしたい!という中学生や小学生たちもたくさんいると思います。指導方針を教えてください。

高原監督
オフザピッチの部分、人間形成はとても重要視しています。
高校生である以上勉強もきちんとやって、プラスアルファとしての部活動ですから。
基本的な学校生活をしっかりやってほしい。
そして卒業後もしっかり活躍できる人間になってほしいと思っています。

サッカーの面では、ロングボールを蹴る単調なサッカーはあまり好きではないですね。
縦に速いボールポゼッションでゴールにどれだけ向かえるかというサッカーを目指しています。

ーーーフィジカルトレーニングなどもされているのですか?

高原監督
はい、チームが4つのカテゴリーに分かれているので、フィジカルトレーニングはカテゴリーごとに曜日を交代で行っています。
フィジカルトレーナーの指導のもと、器具を使ったり、体幹をやったり、自重のトレーニングもやったりしています。

ーーー岡山学芸館を目指す中学生がここを意識して磨くといい、という点はどんなことでしょう?

相手の状況を見て、判断をすることも含めてのスピードが大事です。
判断力までをトータルにしたスピード感ですね。
どれだけ相手と状況を見られているか、判断ができることはとても大切にしています。

ボールがないところでのオフの動きであったり、相手のどこからプレッシャーがかかっているのか、逆に味方にプレッシャーがかかっていないところはどこにあるのか。
そういう状況の見極めができるといいですね。

パススピードも大事です。
速いパスを受けられる、そしてコントロールして次のプレーに繋げられるベストな位置に止めて蹴れる足元の技術を大事にしています。

うちのサッカーを見てもらって、学芸館でやりたいという子は大歓迎です。
うちはサッカー部に入りたいという子は全員入れます。

部全体では4つのカテゴリーで活動していて、プリンス中国、県の1部、2部リーグ、1年生は中国ルーキーリーグなどに参加して、練習試合もあるので、週末はだいたい試合があります。

選手たちが立てた目標に向かって

ーーー最後に、全国制覇を成し遂げた後の高原監督の目指すところを教えてください。

高原監督
全国優勝はしましたけれども、今後もチームは毎年変わっていきます。
また来年は新チームで戦っていきますので、まずは生徒たちに目標を考えさせて、その目標に向かっていくだけですね。
もちろん連覇できれば最高だけれども(笑)新人戦、インターハイ、プリンスリーグの1試合1試合を伸び伸びとプレーしていってもらいたい。
そのためのサポートを全力でするだけです。

毎年の目標はスタッフは入らずに、選手たちで決めさせています。
選手たちが立てた目標に向かって、本気でやるなら先生たちも本気でやるから、と。

これが毎年の岡山学芸館の新シーズンスタートです。

ーーー本日はお忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました!
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寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/オウンドメディア事業部mar
長野県生まれ、現在福岡県在住。WEBライター歴10年。主に引越しや子育て、教育分野のコラムを100記事超執筆。
2016年11月からジュニアサッカーNEWSライター。
ジュニアサッカーNEWS副編集長を経て、現在統括編集長。

早いもので小学生のサッカー少年だった息子も高校生。
カテゴリーが変わるたびに、さまざまなサッカー観戦の仕方を知りました。
アマチュアサッカー、奥が深い!
そして、いつだって保護者の熱意がすごい!

選手や保護者の皆様から元気をもらっています。
少しでも還元できるように頑張ります。

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