2022.12.24 選手権前の意気込み動画を追加しました。
(取材/文/写真 江原まり)
2022年11月13日は高校サッカー選手権予選で飯塚高校サッカー部が初優勝し、福岡県の高校サッカー界にとって、一つの歴史が刻まれた日になった。
冬の高校サッカー選手権全国大会への出場校は、ここ10年のうち8回が東福岡、筑陽学園が1回、東海大五(現在の東海大福岡)が1回と圧倒的王者として東福岡が君臨。
さらに遡ると2010年の九州国際大付属が選手権に出場しており、この4校で長年「4強時代」を形成してきた。
ここに彗星のごとく現れ、7年の間に県大会出場、そしてベスト8、ベスト4、決勝進出と台頭してきたのが飯塚高校サッカー部。
2021年には夏のインターハイ予選で、4強の壁をこじ開け、準決勝では王者東福岡を破り、決勝では筑陽を破って初めての全国大会出場を掴んだ。
2022年夏のインターハイ予選では、再び筑陽を破って決勝に進むも、九国大付属にPK戦で敗れ準優勝。
決勝に飯塚が進出、という場面も近頃では珍しいことではなくなってきた。
そして迎えた2022年度第101回全国高校サッカー選手権福岡予選 決勝。
ベスト電器スタジアムの飯塚高校サッカー部控え室からは、時折気合の入った声が聞こえてきて、びっくりするほど。
キックオフ1時間前には、ロッカールームから出てくる選手たちをバックアップの選手たちが一人一人、大きな声で盛り上げながらハイタッチでウォーミングアップに送り出す。
チームが良い緊張感と高揚感を持って当日を迎えたことが感じられた。
歓喜の瞬間は前半の38分。
決めたのは「サッカーに全てをかけている子」と中辻監督が評する飯塚のエースナンバー13池田悠夢選手。
ドリブル突破から密集をものともせずに右足を振り抜いた。
池田選手は「ゴール前だったので、絶対に自分が決めると思って振り抜きました。決まってすごく嬉しくて。みんなと一緒に戦ってきたから、気づいたらスタンドの方に向かって走っていました」と振り返った。
その後も、飯塚は最後まで自分達の繋ぐサッカーを崩さず、前からのプレッシャー、球際の戦いで東福岡を制圧。
見事な試合運びでの優勝だった。
<現場取材メモよりこぼれ話>
2015年の就任以来、1歩1歩確実にチームを成長させてきた中辻監督。
「今日は力を出し切れば圧倒できると思っていました。思った通りの会心の試合を選手たちがやってくれた。2015年の監督就任からここまで苦労って感じたことはなかったですね、飯塚の地域の皆さんにも支えてもらって、ずっと楽しみながらやってきた。長かったような短かったような・・・。いつも1回でいけるってことなかったんですよ。ベスト4に入るのも、決勝に進出するのも。全部2回目で成し遂げてきた。だから(選手権決勝2回目のチャレンジになる)『今日がその日だ』という意味を込めて『TODAY IS THE DAY』というTシャツを作って、今朝初めて選手に配りました」
試合後にはスタンドに歩み寄り、「本当にみんなのおかげです」と込み上げる涙を拭って、大声援で支えた選手たちに声をかけると、スタンドの選手たちからは大きな拍手が湧いた。
2015年に飯塚高校サッカー部の監督となり、大阪から福岡にきたばかりの頃、小嶺監督(国見・長崎総附の監督を歴任。2022年1月に逝去)に「決勝の前にはどうしたらいいんですか?」と聞いたことがあった。
小嶺監督の答えは、
「大船に乗ったつもりでおれ。」
その言葉を今日、ロッカールームを出る時に、いつも思ったことを書き留めているノートに改めて書きこみ試合に臨んだという。
初めて出場した全国大会、2021年の夏のインターハイは初出場ながら3回戦に進出しベスト16の実績を残している。
小嶺監督には、「『東福岡を倒そう』ではつまらんぞ。全国制覇を目指せ」と、今年の8月に大会で会った際言われたという。
その言葉を胸に、選手たちと共に初の冬の選手権では初出場初優勝を目指す。
飯塚高校サッカー部の新たな挑戦を楽しみにしたい。
<動画:込み上げる涙を拭い、スタンドの選手たちに声をかける中辻監督>
(取材/文/写真 江原まり)
飯塚高校サッカー部公式HPはこちら
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飯塚高校サッカー部の選手たちのしっかりとして
はきはきと姿がめちゃめちゃ素敵ですね
福岡県民としても誇らしい
https://yukaiakansyasai.ciao.jp/