スポーツニュースを考えるシリーズの第2弾です。
このシリーズはスポーツニュースの中で、ライターの琴線に触れたニュースを深掘りするものです。
10/9 江原のピックアップ
国立競技場スタジアムツアーが開催中!夏季限定のナイトツアーも実施!
「国立競技場ナイトツアー」は、17時半以降、4階展望エリアで飲食も行いながらゆったりと過ごすことができるのが特徴です(ナイトツアーは8月19日まで。参加費 大人500円、高校生以下500円。共に税込。※未就学児2名まで同伴可能)。夕景から徐々に陽が落ちて夜景に変化していくにつれて、スタジアムの表情も刻一刻と変わっていく姿は貴重だと思います。コロナウイルス感染症の感染状況が改善されていけば、ナイター照明による競技大会、コンサートの開催など、魅力的なイベントも増えてくるはずです。これから行われてほしいイベントに思いを馳せながらスタジアムを見下ろしてみるのもいいかもしれません。(スポーツ庁 web広報マガジン)
ピックアップポイント
・なぜ国立競技場がこのようなイベントを積極的に開催する背景は?
・スタジアムという「箱」が本来の競技場としてだけではない活用をされるケースが増加し、収益構造が多様化しつつある
スタジアムやアリーナが「競技会場」以外にも活用できないか
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のメインスタジアムとして使用された「国立競技場」で、スタジアム内を見学できる「国立競技場スタジアムツアー」が開催されています。
なぜこのようなイベントが開催されているのでしょう?
これはスポーツ庁が掲げるスタジアム・アリーナ改革推進事業とも密接に関係している取り組みの一つではないだろうかと捉えています。
スポーツ庁が押し進めている2020年に5.5兆円だったスポーツ市場規模を2025年までに15兆円までに引き上げる計画の中で、スタジアム・アリーナ改革推進事業は約4兆円規模と大きな存在感を占めています。
スタジアム・アリーナ改革推進事業は「民間ノウハウ等を活用し、コストセンターからプロフィットセンターへの転換 を推進するとともに、まちづくりや地域活性化の核となるスタジアム・アリーナの実現を目指す。」ことを目的としています。
つまり、競技場は「維持管理費」などの「コスト」がかかる存在から、「収益」を生み出す存在への転換を迫られているのです。
スタジアムがスポーツを観るだけの場所ではなくなる
例えば、鹿島アントラーズの本拠地である鹿島スタジアムには、ジム(カシマウェルネスプラザ)やエステ(アントラーズスキンケア)などが併設され、試合に関係なく平日も利用可能です。
また、サンガスタジアムby KYOCERA内には2021年6月1日に「びばっこ保育園」が新規開園。
なんと天然芝のピッチで園児たちが遊んだりすることができます。
サッカー好きな保護者が遠方から入園を希望するケースもあるのだそう。
Jリーグの競技場が試合で使用されるのは年間で30日ほど。
それ以外の日に何も活用されないのはいかにも勿体無い話です。
こうして地域の方々の役にも立つ「社会貢献」としての側面を持つ活用の仕方、そしてそれによってスタジアムやアリーナが「収益を生む場所」として生まれ変わっていく流れは今後も各地で加速していくのではないでしょうか。
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