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2022年 伊賀FCくの一三重加入内定!「なくてはならない選手になりたい」秀岳館高校3年 玉城亜海選手インタビュー

(この記事は再掲です)

秀岳館高校サッカー部所属の玉城亜海選手が2022年シーズンよりなでしこリーグ1部所属、伊賀FCくノ一三重に加入することが内定しました。

ジュニアサッカーNEWSでは玉城選手へのインタビューを実施。
なでしこ選手としての目標とは?これまでのサッカーで得たものとは?

未来のなでしこを目指す選手達や保護者の方にも是非読んで頂きたいインタビューです。

お話を聞いた人

秀岳館高校 3年生
玉城亜海(たましろあみ)選手

ポジション:FW

経歴
FC首里→ヴィクサーレ沖縄FCナビィータ→那覇ガールズ→秀岳館高等学校
2022シーズン なでしこ1部リーグ 伊賀FCくの一三重加入内定

2022年 伊賀FCくの一三重加入内定!
「チームに貢献できる選手に成長したい」

―――2022年度、伊賀FCくの一三重(以下、くの一)への加入内定おめでとうございます!
春からはなでしこ選手ですね。今の率直なお気持ちを聞かせてください。

玉城亜海選手(以下、玉城)
ありがとうございます。
自分とは程遠いと思っていた世界でのチャンスを頂けたことをとても嬉しく思います。
受け入れて下さったチームに感謝しかありません。
チームに貢献できる、必要とされる選手になれるように今後も頑張って行きたいです。
これまで支えて下さった母や指導者の方々、チームのみんなに恩返し出来たらと思います。

ーーーくの一の練習に参加されたと思うのですが、なでしこ1部リーグの世界に触れてみてどんなことを感じましたか?

玉城
なでしこ1部リーグのチームは練習の段階から強度がとても高いと感じました。

攻撃に対する意識が高く、選手全員から「ゴールが見えたら点を取る!」という気持ちが伝わってくるんです。身体を張ってでもゴールに押し込もうとする姿に、大きな刺激を受けました。

自分は今まで、努力はしても身体を張ってでもゴールに押し込むということが出来ていたのだろうか。やっているつもりだったけれど、まだまだ出来ていなかったのではないか。そんな風に考えさせられるほど、練習から高いレベルでやっているんです。

自分もこのチームの一員として一緒に戦いたい、全力でゴールに向かう姿勢で挑みたい、そう強く思いました。

ーーーくの一ではどんな選手になりたいですか?目標を教えてください。

玉城
内定を頂いた時「スピードがあるところが強み」だと言って頂きました。
自分のストロングポイントを更に磨き、試合に出続けられる選手になることをまずは目指したいです。

そして、攻撃の起点になれるような、チームにとって「なくてはならない選手」になりたいと思っています。

「なくてはならない選手」というのは、試合でチームがピンチを迎えた時、一瞬のチャンスも見逃さずに点を取ることができるような、チームに良い流れを引き寄せられる選手のことだと思うんです。
厳しい状況にある時に積極的に声を出して雰囲気を変えたり、何らかの貢献ができるような選手に成長したいです。

秀岳館高校では「みんなが言いにくいことでも、言わなくてはいけないことならしっかり伝える」「誰もが難しいと感じることでも、まずは自分が行動を起こす」ということを意識しながらやってきました。
秀岳館で学んだことを忘れずに、新たな環境でも頑張って行きたいと思っています。

仲間がいるから頑張れる

ーーー玉城選手がサッカーを始めたのはいつ頃からなのでしょうか?

玉城
小学4年生からです。
私は5人兄弟の2番目なのですが、兄や弟がサッカーをしている影響でやってみたいと思うようになりました。

最初は男子のチームに入ったのですが、体力的にも技術的にも全然付いて行けなくて…サッカーが楽しいと思えなかったんです。

そんな中、チームの指導者の方から「女子だけで活動しているチームに参加してみないか?」と言っていただけたんです。
参加してみると、同世代の女子選手達との交流がとても楽しくて。
サッカーそのものもすごく楽しくなりましたし、頑張って続けていきたいと思えるようになったんです。
仲間が出来るということはすごく大事なことなんだなと感じました。

中学年代でも、仲間の存在にすごく助けられました。
中3ではキャプテンを任されたのですが、当時の自分はチームをまとめることが出来るかどうかすごく不安で。そんな時も同じチームの友達の存在が大きな支えになったんです。

当時、所属チーム(那覇ガールズ)にいた同学年の選手の日本人は私ともう一人の2人だけだったんですが、その友達が「亜海ならできる。ついていくよ」と言ってくれて。
彼女がいてくれたからこそ、自分はサッカーを頑張れたし、キャプテンとしてチームをまとめることが出来たと思います。

その友達とは今でも連絡を取っています。
高校女子サッカー選手権の九州予選では、お互いにそれぞれのチームで試合に挑みました。
彼女の高校は1回戦で負けてしまったんですが、自分たち(秀岳館)の試合を一人で応援に来てくれたんです。
勝つことは出来ませんでしたが「最後まで頑張っていて亜海らしいかっこ良いプレーが見られた」と言ってくれました。
その言葉にもとても励まされました。

母にかっこいい姿を見せたい

ーーー自分にあった環境だからこそ、仲間と呼べる存在にも出会えたのですね。女子チームという環境で順調に力を付けられたのではないでしょうか。

玉城
女子チームに行ったことでサッカーへのモチベーションは確かに上がりました。ですが、全てが順調だったかというと、決してそういう訳ではなくて。

小学生時代は楽しく続けられたサッカーも中学年代になってからは求められるレベルも上がりました。
沖縄県の中学年代女子では強豪と言われているチームだったのですが、そこで出会うのは当然上手い人達ばかりで…入部当初はチームの中で自分が一番下手だと感じて落ち込みました。
自信が持てなくて、色々なことが上手く行かないと感じてしまい、サッカーから少し離れた期間もあったんです。

そんな時に母がすごく支えてくれました。
自分自身の弱さに悩んでしまった時、私は自分の気持ちを母に上手く話せなかったんです。
どうしていいか分からないでいる時に色々言われてしまうと余計に混乱しそうで、相談することができませんでした。

母はそんな私の気持ちを分かってくれて、何も聞かずにいてくれました。
言いたいことはきっと沢山あったと思うのに、見守ってくれて、いつかサッカーに戻ってくると信じて待っていてくれたんです。
すごくありがたいことをしてもらったと思っています。感謝してもしきれません。

母は私たち兄弟5人を一人で育ててくれたんです。
仕事をしながら兄弟それぞれの習い事の送り迎えをして、美味しい食事を作ってくれて。

試合の審判をする人が足りなくてチームが困っていた時、母はすぐに資格を取りに行って審判を引き受けてくれました。

誰かが困っていると真っ先に動いてくれる。
私はそんな母が大好きです。
母の為にもサッカーで活躍する姿を、かっこいい姿を見せたいと思っています。

苦手を克服できた「秀岳館スタイル」

ーーー秀岳館高校は玉城選手にとってどんな場所でしたか?

玉城
苦手を克服して、大きく成長させてくれた大切な場所です。
秀岳館でサッカーしたことで、本当に多くの学びを得ることができました。

進学のきっかけは、中学時代の大会を秀岳館が運営していたことです。
大会中に矢野監督から声をかけて頂き、練習会に参加しました。

自分には技術が足りず、相手を剥がすプレーというのが得意ではなかったんですが、そこは秀岳館での練習を通して克服出来た部分だと思っています。
秀岳館の練習はとにかく頭を使うんです。
判断力を上げる練習に加えて、ドリブルや止める・蹴るの技術練習も徹底的にやる。
「秀岳館スタイル」は自分に武器と呼べるものを増やしてくれたと思います。

先輩や同学年にも技術力が高い選手が多くて、影響を受けました。
入学当初はセンターバックをしていたのですが、秀岳館のセンターバックは駆け引きが出来ないといけなくて。
自分はロングボールを蹴ることや、裏に出されたボールに守備しに行くことが得意だったのですが、秀岳館では自分で相手を剥がしてボールを動かすこともしなくてはならないんです。
1年生の時はそれが上手くできなくて苦労したんですが、同じセンターバックのものすごく上手な先輩が寮で同室で、本当に沢山のことを教えてもらいました。サッカーノートを見せてもらったり、沢山相談に乗ってもらいました。

同学年でキャプテンをやっていた選手も足元がすごく上手い。
2年生からは色々なポジションに移動したのですが、ボールの収め方や持ち方など、どうやったら相手に取られないようにできるかなど、彼女のプレーを参考にすることで、自分も成長出来たと思います。
苦手なことが出来るようになった時、プレーがどんどん楽しくなっていきました。次はこんなプレーをしてみようと考えるとワクワクしました。

秀岳館の矢野監督(女子サッカー部 矢野君典監督)は強い信念を持っている方で、とても尊敬出来ます。
自信が持てないうちはいろんな意見に流されてしまいそうになるのですが、ここぞという時に自分の考えがはっきり伝えられたり、強い意志を持って物事をやり遂げなくてはならない。そうでなければ成長することは難しいことなのだと思うのです。
監督の指導を通して「自分を持つ」ということの大切さを教えて頂きました。

監督をはじめ、指導者の方々は自分たち選手の質問に対しても常に真剣に、丁寧に向き合ってくださいました。選手達の考えを尊重してくれる指導方法にとても感謝しています。
秀岳館でサッカーすることができて、とても楽しかったです。

ーーー最後に、将来なでしこ選手を目指す小、中学生の選手の皆さんにメッセージをお願いします。

玉城
サッカーは楽しむことが一番です。
まずは楽しむこと。そのうえで、自分がこれだと思った方法を信じて努力することが大事なのだと思うんです。
努力したことはどういう形になったとしても自分の中に必ず残ることなので、自分を信じてやりたいと思うことを一生懸命頑張って欲しいと思います。

玉城亜海選手コメント

秀岳館高校サッカー部HPはこちら!

画像をクリック!▽

最後に

小4からサッカーを始め、様々な悩み、葛藤を抱えながらもひたむきに努力を続けて夢を叶えた玉城選手。
ゆっくり、噛みしめるように話す言葉からは、これまで支えてくれたお母さん、指導者の方々やサッカー仲間、関わる全ての人への感謝に溢れていました。
人間味のある飾らない言葉、誠実な人柄。とても応援したくなる選手です。
玉城選手、ありがとうございました。今後益々のご活躍をお祈りしています。

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寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSテクニカルマイスターWriterCrane
滋賀県在住ライターのCraneと申します。
2022年8月にライター歴5年目に突入、サッカー娘の母歴は丸12年になりました。

どんな試合でも、その一戦を迎えるまでにどれほどの努力があったのか。そしてそこに、どれほどの方の支えがあったのか。

頑張っている選手達、それを支える保護者、指導者の皆様が持つ数多のドラマに想像を張り巡らせてはリスペクトが泉のように湧き上がる日々。
涙腺も年々緩くなり、留まることを知りません。

8チームから12チームくらいの規模の大会、16チーム以上の大きな大会ともに情報は常に募集しています。
大会結果画像、弾けるような笑顔のお写真、選手達のご活躍の様子をぜひお寄せ下さい。いつでもお待ちしています!

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