大阪府茨木市で活動をするレオサッカークラブ。
今回、スポンサーとしてチームを支援チームの支援をしてくださる小川工業株式会社の専務、小川 匡哉氏に、ご自身がチームに在籍されていたころのお話などを伺いました。
そこには、レオサッカークラブへの感謝の思いがあふれていました。
(画像提供:小川工業株式会社 取材/文:冬馬瑠莉)
お話を聞かせてくれた人
専務取締役 小川 匡哉氏
2003年~2005年 レオS Cに所属
会社にもチームにも「役に立つ」こと
ーーレオSC(大阪府茨木市)のスポンサーをしようと思われたきっかけを教えて下さい。
専務取締役 小川 匡哉氏(以下、小川専務)
レオSCは、私が中学までお世話になったサッカークラブです。
その時の監督が、今も監督を務めている安楽監督です。
「チームのために、ぜひ協力したい!」と思い、喜んでお引き受けさせて頂きました。
レオSCは人間味を大切にするチームで、安楽監督にはとても大切なことを教えて頂いたんですよ。
ーー例えばどんなことでしょうか?
小川専務
レオSCでは中学生になると、自分のことは自分でするように指導されます。
例えば、親の送迎は原則禁止。サッカー用のウエアは自分で洗濯するように言われました。
サッカーだけでなく、学校の成績も監督に見せなければならないんです。
サッカーだけが上手になってもだめだと、サッカー以外での生活も大切にするチームでした。
今思うと監督は、選手が高校、大学へ上がっていった時のことも考えて指導されていたと思います。
そんなチームだから応援すると決めたことに迷いはありませんでした。
ーー監督からスポンサーを引き受けられるにあたり宿題が出ているとか?
小川専務
そうなんです。実は監督から宿題を頂いていて…(笑)
チームばかりにメリットがあってもダメだ、我社(小川工業)にも何かメリットになることを考えろと言われているんですよ。この宿題にかなり悩んでいまして、このインタビューの前までに考えておこうと思ったのですがまとまっていないんです…
ーー難しそうな宿題ですね。対等で、ウィンウィンでいこうという監督の思いが伝わってくる気がします。
小川専務
そう我社は一般住宅というより、ワンルームの物件をメインに建設しています。
主な取引先も個人の方ではなく企業になりますので、レオSCの保護者様へ「ぜひ我社で家を建てませんか?」とお願いするためにお引き受けした訳ではないんですよ。
いろいろ私なりに考えてはいるのですが…。
例えば建設業界に若い方がとても少ない現状がありますよね。スポンサードすることでレオSCの選手や保護者の方が建設業に興味を持ってくださるとうれしいなと思います。なので、職業体験をしていただくなどはどうかなと考えてはいます。
ーー確かに、建設業が身近なものになりそうですね。
小川専務
この業界を身近に感じてくれ、将来の職業の選択肢の一つになったらそれだけでもメリットですね!
ーーなるほど。優秀な人材が入ってくれれば、建設業自体が盛り上がりそうですね。そういう機会を家で作りたくても、保護者には忙しいかもしれません。
小川専務
いろんな経験をさせてあげたいと思っていても、保護者の方が共働きだったりなど様々な事情があれば、そのような時間を作ってあげることができる家ばかりではないと思うんですよ。
大工さん体験などを職場体験として計画し、このチームはいろんな経験をさせてくれるチームだと言っていただけるようなお手伝いをできないか、そうすれば私たちにとってはもちろん、チームにとっても我社がスポンサーをする意味があるのではないかと思ってるんです。
人生を変えたドイツ留学
ーー中学時代、監督とドイツへサッカー留学に行かれたそうですね。詳しく教えて下さい。
小川専務
チームを退団し、高校に入学する前だったでしょうか。監督と二人でドイツへサッカー留学の体験に行きました。
監督は、チームを強くするためにドイツのサッカーをチームに取り入れたいと選手の留学を考えていたようです。
中学生が実際に体験したらどう思うか意見を聞かせて欲しいと言われました。たまたま親が私の旅費を出してくれたこともあり、その視察を兼ねたドイツ留学という貴重な体験をさせてもらったのです。
ーー滞在中はどんな生活だったのでしょうか。
小川専務
ドイツに滞在中は、ホームステイでした。
私はドイツ語を話せなかったので、ホームステイ先の息子さんと私が片言の英語で会話をしていました。
ーー監督も一緒ですか?
小川専務
監督はホテルに宿泊していたので、私ひとりでの滞在でした。
ーー心細くはありませんでしたか?
小川専務
そうですね、最初は不安でした。
でも、ホームステイ先のご家族はとても優しい方たちでした。
忘れられないエピソードがあるんです。
僕が気兼ねなく過ごせるようにとの配慮から、ホームステイ先のご家族が部屋に沢山の炭酸水を置いてくれていたんです。「どれだけ飲んでもいいよ」と言ってくれたのですが、炭酸水を飲んだことがなくて飲めなかったんですよ(笑)
だって、今のように炭酸水が日本で当たり前に飲まれていない頃ですよ。最初、口に含んだ時はビックリしました。でも飲めないと言うのが悪いような気がしてしまって…本当は他の飲み物が欲しいのにそれを伝えることが出来ません。
ーー自分の意見が言えなかったんですね。
小川専務
そうなんです。
監督のご指導で、少しは自分の意見を主張できるようになったと思っていたんですけどね(苦笑)
子供の頃の私は、自分に自信がないタイプ。人の影にかくれてしまうところがあり、色々と思っていても口に出せなかったんですよ。
よく監督には、「自分の意見を言えるようになれ!」と指導されていましたね。
自分でも監督に言われた事を変えようと意識していたので、少しは自己主張が出来るようになっていると思っていましたが、いや、まだまだでしたね。
ーーホームステイ先での飲料水はどうされたのですか?
結局、他の飲み物が欲しいと言えなくて置かれている炭酸水を必死で飲んでいました。
おかげで苦手な炭酸水が飲めるようになりました(笑)
ーー自分の意見が言えるようになっていたと思っていたのに、まだまだだったと気づかされたんですね。
小川専務
その通りです。自分では、ちょっとは成長できていると思っていたんです。
留学先のチームでサッカーのプレーをする時もそうでした。向こうの選手たちはとにかく自分の意見をはっきり言う。私も一生懸命自分の要求を伝えようと努力しました。
言葉も通じない生活でしたが、とても貴重な時間だったと思います。
▽留学中の写真:左から2番目が小川専務▽
ーーご自身の体験があるから、レオSCの選手たちにもいろんな経験や体験をさせてあげたいと思われたのでしょうか?
小川専務
そうですね。ドイツ留学は、私にとって成長のきっかけを与えてくれました。
すっかりドイツが好きになった私は、大学でもドイツ語を選択し更に1年留学をした程です。
ーーまさに人生を変えたドイツ留学でしたね。
小川専務
サッカーがうまい子がいった方がいいのではないかと思いもしましたが、監督は「ドイツ留学を経験した中学生がどんな感想を持つのか」ということを私なら伝えてくれると思っていてくれたようです。
でも、この経験が私にとって大きな成長へとつながったと思っています。
レオSCを卒団した後、その時の環境環境で自分の立場は変わっていきます。
将来のことも見据えて監督は成長のきっかけを与えてくれたんだなと今の私なら分かります。
だからこそ、もっと色んな体験を多くの選手たちに挑戦できる環境を整えてあげたい。その意味を身をもって体験したから、より強く思うのかもしれません。
SNSで「生きている会社」になる挑戦
ーー御社でも色々な挑戦に取り組まれているようですね。
小川専務
はい。もともとホームページには力を入れているのですが、ちょっと前からSNS事業部を立ち上げ、更に発信に力を入れています。レオSCのスポンサーを引き受けたことで何ができるか模索中だとお話しましたが、このSNS事業部も「模索中」という意味で同じです。
我社のクライアント様は100%が企業なので、企業様にどのように私たちの事業や取り組みを発信していけばいいのかを話し合って実践してもらっています。
我社ほどの規模の中小企業で、発信や、会社のホームページに力を入れている企業は少ないかもしれません。
ーーSNS事業部のインスタグラムがとても素敵だと思いました。
SNSに当たって、何を大事にしてらっしゃいますか?
小川専務
正直まだ模索しながらではありますが、SNSへの投稿を継続することが大事だと思っています。
ちょっと何回かアップしただけでは意味がありませんからね。
ルール決めをし、事務職の女性スタッフ4名がローテーションを回しながらインスタグラムへのアップをしています。SNS事業部は社員たちと共に成長していくための挑戦にしたいと思っています。
ーー投稿の内容はどうやって決めているんですか?
小川専務
スタッフがそれぞれ話題を考えて投稿してくれています。
最初はSNSの投稿が不慣れなことなどもありインスタグラムにも抵抗があったようですが、回数を重ねていくうちに色々アイデアが出てくるようになったようです。
ーー社外から何か反応はありましたか?
小川専務
直接何か反応を頂いたわけではありませんが、SNSを活発に動かすことによって、ネット上で検索してもらった時に「生きている会社」だということが伝わるようになったのではないかと思っています。
ーーレオSCの保護者の方も、小川工業という会社を身近に感じられそうな内容ですね。
小川専務
そう思って頂けたら嬉しいですね。
我社は、2~3階建ての低層アパートでワンルームの物件をメインに建設している会社です。
戸建て2個分ぐらいの土地があれば活用が可能ですので、土地活用や収益物件のご相談、利回りなどに関心をお持ちの方がいらっしゃれば気軽にご相談していただけるような情報を発信していけたらいいと思います。
ーー安楽監督からの宿題の答えにも繋がるような気がするのですが。
小川専務
ああ、そうですね!
おじいちゃんやおばあちゃんは、お孫さんの試合を応援に来たりされるものですか?
ーー私の周りには熱心に応援に見える方がいらっしゃいましたよ。それに、我が子がチームのホームページに掲載されたりしたら、おじいちゃんやおばあちゃんへ報告したりしたくなりますよね。
小川専務
お孫さんのチームをスポンサーしている会社、という親近感などを持ってくれたおじいちゃん、おばあちゃんが相談に来てくださったらうれしいなあ。
茨木市は、立命館大学の茨木キャンパスが出来たことで大学生向けのアパート需要がある土地でもあるんです。
もし、興味がある方がいらっしゃったらぜひ気軽に相談してください!
木造建築を得意としていますので、アパート以外にも平屋のデイサービス、デイホームなどの工事も可能です。
レオSCの皆さんへ
ーーー最後に、チームの皆さんへメッセージをお願いします。
小川専務
レオで活動する時間は学校での生活と違う環境に身を置いているわけですから、早い段階で社会勉強ができていると思います。
監督たちは皆さんの進路をすごく真剣に考えてくれています。
大好きなサッカーができることへの感謝、ご両親への感謝、チームへの感謝を忘れずにしっかり監督の言うことを聞いて頑張ってください。
チームで教えてもらったことを頑張ったら色々な道が開けると思います。
そして子供たちを見守る保護者の皆さん、上手な子たちと切磋琢磨しあう中でお子さんたちが自信を失いがちになることもあるかもしれません。
でも今頑張ったことは、けっして無駄にはなりません。保護者の方は頑張っているお子さんをたくさん褒めてあげて下さい。
私たちはスポンサー活動を通して、お子さんたちへ社会勉強する色々なきっかけをお手伝い出来たらいいと思っています。
レオSCの皆さん、共に成長していきましょう。
会社概要
会社名:小川工業株式会社
社長:小川勇治(1級建築士)
業務内容
・建築請負事業
・新築住宅事業
・リフォーム事業
・不動産事業
〒567-0886
大阪府茨木市下中条町13番20号
Tel 072-622-4556(代)
Fax 072-622-4557
オフィシャルサイト
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最後に
小川専務のお言葉から、レオSCへの感謝の気持ちがひしひしと伝わってきてました。
レオSCで過ごされた時間は、小川専務にとってかけがえのない時間だったのでしょう。
先輩から後輩へとつながっていく支援が、大きな輪になっていくことを願っています。
貴重なお時間をインタビューに割いて頂いた小川専務と野本様に本当にありがとうございました。
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