北海道屈指の進学校としてその名を馳せる函館ラ・サール高校。
同校サッカー部では選手主体の広報チームを立ち上げ、サッカー部ホームページを通して選手達自らが企画、運営するコンテンツを配信しています。
コンテンツの配信を通してサッカー部員が目指すものとは?
函館ラ・サール高校サッカー部、広報部員の丸茂 琥哲選手(高校2年生)にお話を伺いました。
※取材は2021年11月のものです。
zoom取材:Crane
画像提供:函館ラ・サール高校サッカー部
お話を聞いた人
函館ラ・サール高校 丸茂 琥哲選手(高校2年生)
地元に愛されるチームを目指して
ーーー函館ラ・サール高校サッカー部のHP上で選手が主体となって企画、運営するコンテンツがスタートしましたね。このコンテンツを配信するにあたり、きっかけなどはあったのでしょうか?
函館ラ・サール高校サッカー部 広報部 丸茂 琥哲選手(以下、丸茂)
きっかけは、全国高校サッカー選手権大会などのテレビ放送で全国大会に出場している強豪校が地元の方々や企業などから応援されている姿を見たことです。
その様子を見て、自分たちも地元のみなさんに応援されるようなチームになりたいと強く思いました。
どんなに厳しい勝負に勝ったとしても、それは周りの方々の応援があってこその勝利だと思うんです。
素行が悪くて地域の方々から応援されていないけれど勝負には勝つ、というのは気持ちの良いことではありません。
函館ラ・サールには寮生が多いのですが、日々の買い物など、地元の皆さんから助けてもらうことも多いんです。
普段から支えて頂いていることが多いので、サッカーを通して少しでも恩返しをしたいという気持ちもありました。
ーーー現在はどんな企画を行っていますか?
丸茂
今は、部員一人ひとりの自己紹介動画を順次アップしています。
20人くらい部員がいるのですが、全員分作るつもりです。
週に2人くらいのペースで上げていきたいと思っています。
ーーーコンテンツはどんな方々に見て欲しいですか?また、今後はどんな展開を考えていますか?
丸茂
第一のターゲットはやはり、地元の方々です。お世話になっている方々に僕たちの取り組みを見てもらって元気になって頂けたら嬉しいです。
閲覧して下さる方の範囲はまだまだ広くはないのですが、ラ・サール関係者の皆さんからは「面白かった」「〇〇くんのが待ち遠しい」「がんばってるね」という反応を寄せて頂いています。
いずれは全国のサッカー関係者の方々にも見てもらえるようにコンテンツを成長させていきたいですね。
僕たちが発信したものをきっかけに函館ラ・サールのサッカーに興味を持ってもらったり、中学生や小学生のみなさんに進学したいと思ってもらいたい。
進路決定のきっかけづくりにできるものを作っていきたいと考えています。
動画をyoutubeに限ってしまうと僕たちのサイトを見ている人しか見る機会がないなと思っていて。
ティックトックなどがバズりやすいと思うので、youtube以外のSNSにも進出することも考えています。
今は一人ひとりの自己紹介動画ですが、今後は2人組、3人組などでサッカーの練習風景を紹介したり、リフティング動画なども作れたら面白いかもしれません。
コンテンツの配信だけに限らず、色々な形で地域貢献していきたいとも思っていて。
雪が積る北海道の冬、学校の前やお世話になっている近隣のお店の駐車場などの雪かきのお手伝いをしたいと考えています。
選手企画を通して得た「気付き」
ーーー選手企画を始めてみて、問題点などはありましたか?
丸茂
函館ラ・サールでは、寮生はスマホ、携帯電話が禁止されています。
そのため、動画編集などはどうしてもできるできないに偏りが出てしまうんです。
寮生が参加しやすいようにスマホなどを使わなくても出来る企画を考えています。
普段お世話になっている地域の商店に寮生に取材をさせてもらえないかと思っています。
僕たちを支えて下さっているお店はどんなお店なのか、店主の方はどんな方なのか、お店の持つ魅力などを伝えられる記事を書いてHPで発信していくことを目標にしています。
―――それは、とてもいい企画ですね!ぜひ読んでみたいです。
ですが、勉強やサッカーもあるでしょうし、大変ではないですか? 動画配信などはいつ進めているのでしょう?
丸茂
サッカー部のトレーニングは基本、週6回でオフは週に1回となります。
動画編集は練習が終わった後に、選手日記なども部活が終わってから次の日の朝に提出するかたちにしています。
締切までの時間を長くしてしまうと結局ダラダラしてしまって良いものが出来上がって来ないと思うので、あえてタイトにすることで集中して書けるようにすることを狙っています。
文章力の向上や、物事の優先順位を付けて効率化することを学べたら良いなと。
テスト期間の間はサッカーの練習も大会直前以外はオフになります。
選手企画もテスト期間は控える、ということにして、無理の無いように進めています。
優先順位は人によって違うとは思いますが、僕は部活と勉強が第1、次に選手企画という感じです。
動画編集の負担が大きすぎて、優先順位が狂ってしまうことは本末転倒になると思うんです。
限られた部員ばかりにやることが集中してしまうのも良くないですし。
選手日記はタイトに締め切りを設けていますがが、動画配信などの選手企画は締め切りを緩くとっています。
模試があるから勉強したいという人にも対応できるように運営していこうと思っています。
ーーー選手企画を進めてみて、どんな「気付き」がありましたか?
丸茂
編集の難しさ、技術的な難しさなどの動画投稿だけにとどまらないところで言うと、動画投稿そのものに感じていた壁がとっぱらわれたように感じました。
正直、僕たちが動画を投稿したところで誰も見ないだろうと思って踏み出せない部分があったんです。
ですが、選手日記を始めてみて、閲覧数を確認してみると、自分たちが思っていた桁とは違っていて。
予想以上にたくさんの方々に見てもらっていたんです。
勝手な決めつけで「見られないだろう」と投稿しない、挑戦しないということはとてももったいないなことだと思いました。
やらなければ何も得られないけれど、何かをすればゼロは1になる。
そのことに気付くことが出来ました。
ーーーそういった「気付き」をサッカーにどう生かしていけそうですか?
丸茂
取材など、コンテンツ制作のそのものがサッカーに直結することはないとは思います。
ですが、地域と交流することによって、もっとサッカーに自信が持てるようになると思うんです。
地域還元のために冬場にやろうと思っている雪かきも、自分たちのトレーニングだと思って取り組もうと思っています。
サッカーだけではなく、生活面でも地域に貢献する活動を通して、自分たちのことをより深く掘れると思うんです。
普通のトレーニングだけではどうしても培えない部分があると思うので、この企画を通して、部活のチームワークの強化や、意識の共有に繋げて行くことを目標にしたいですね。
函館ラ・サール高校サッカー部
HPはこちら!
配信動画を一部紹介!
最後に
しっかりとした意思を持って爽やかに答えてくれた丸茂選手。
狙いを持った企画には沢山の学びがありそうです。
函館ラ・サール高校サッカー部の広報部の試みは部員20名の個性を打ち出しつつ、様々な形で展開されていく予定です。
今後も彼らが放つコンテンツにご期待ください。
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