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ガイナーレ鳥取加入内定!飯塚高校 高尾流星選手インタビュー「成長を止めない選手になりたい」

3年連続で、福岡県飯塚市にある飯塚高校サッカー部からJリーガーが誕生!

2021年10月21日、高尾流星選手(飯塚高校3年生)のガイナーレ鳥取への加入内定記者会見が行われました。
第100回高校サッカー選手権福岡県大会の真只中である10月某日、貴重なお時間をいただいて高尾選手にお話を伺いました。

プロサッカー選手という夢を描いて、高尾選手が歩んできた道のりとは?
胸に抱く思いとは?

高尾選手の言葉は、これまで関わった人々への感謝で溢れていました。
プロサッカー選手を目指すジュニア選手、保護者の皆さんにも是非読んでいただきたいインタビューです。

(画像提供:飯塚高校サッカー部、高尾流星選手 取材/文:CRANE)

お話を聞いた人

飯塚高校3年生 高尾流星選手

所属:飯塚高校サッカー部
ポジション:FW

経歴
ヴェントノーバFC U15
飯塚高校サッカー部
2022シーズン J3ガイナーレ鳥取加入内定

2022年 ガイナーレ鳥取加入内定!
友の存在から始まったプロサッカー選手への道

ーーー2022シーズン、ガイナーレ鳥取加入内定おめでとうございます!

高尾流星選手(以下、高尾)
ありがとうございます。
プロサッカー選手になることはずっと目指してきたことなので、夢の入り口に立てたことをとても嬉しく思いますし、一層の努力をして成長して行きたいと思っています。

ーーー高尾選手はサッカーは何歳から始めたのですか?いつ頃からプロ選手になりたいと思ったんでしょうか?

高尾
サッカーを始めたのは5歳の頃です。
同じ保育園の、家族ぐるみで仲良くしてきた友達に誘われて初めてボールを蹴りました。

その友達から「小学生になってからも一緒にサッカーしよう」と言われて。
二人で同じチームに入って本格的にサッカーを始めたんです。
プロサッカー選手になりたいと、その頃から二人でよく話していました。

彼がいたからこそ、自分はサッカーと出会えた。
自分が今もサッカーを続けているのは、あの時のサッカーがものすごく楽しかったからです。

中学に上がるころ、友達には別の目標ができて、学校も生活も別々になりました。
飯塚高校に進学して自分が地元を離れたこともあり、話すことは少なくなっていたのですが、プロになったことを伝えたくて記者会見が終わった後、すぐに連絡しました。

とても喜んでくれて、すごく嬉しかったです。
ずっと感謝の気持ちがあったので。
これから頑張って行こうと力が湧きました。

実を結んだ「再現」と「適切」

ーーー高尾選手はこれまで、自分のストロングポイントを伸ばすためにどんな練習をしてきたのでしょうか?

高尾
自分はフォワードの選手なので、シュート練習は小学生の頃から欠かさずに続けてきました。

負けず嫌いな性格なので、試合でゴールを決め切れなかった時はものすごく悔しくて。
「次は何が何でも決めてやる!」と思うんです。

決められなかった時のシチュエーションや角度はどうだったか。
これを覚えておいて、実際の状況をできるだけ再現して練習しました。
一人ではできないので、チームメイトに「ここにクロスをあげて欲しい」「この位置に立っていて欲しい」と頼んで、練習に付き合ってもらうんです。
どんな状況でも、どんな角度でも点を決められる選手になりたくて、必死になって練習に励みました。

ーーー実際の状況を再現しての練習の方が、反復練習に比べて効果を感じるものでしょうか?

高尾
ただシュートを打つだけより、実際のシチュエーションを想定して練習するほうが苦手の克服に繋がると思います。
常に判断を求められる状況で練習した方がやはり効果的です。

ですが振り返ってみると、成長過程において適切な練習をしてこられたことも支えになっていると思うんです。

自分は小、中学校の時、ドリブルに特化したチームに在籍していましたが、ボール扱いが上達するとサッカーがどんどん楽しくなるんです。
習得した技術を試合で使って、上手く行くとすごく嬉しい。もっと上手くなりたいと、自然に練習に励むようになった気がします。
これは、素直に楽しいと思える時期に、ぴったり合う練習ができていたからなのかもしれません。

ジュニアユースから意識するようになったオフザボールの動きは高校生になってから、より本格的に磨くようになりました。
ステージが上がると当然、ドリブルだけでは通用しなくなるのですが、それでも小学生のときに身に付けた技術がとても助けになっていると思います。

「一人ではない」ということ

―――今年は13番という飯塚のエースナンバーを背負っていますね。怪我に苦しめられたと伺っていますが、プレッシャーや辛さとはどうむき合いましたか?

高尾
今年は怪我のために一人別メニューで調整させてもらったり、回復してからもガイナーレの練習参加などもあって、ほぼチームに合流できていないという状況でした。

インターハイ県予選の準決勝で東福岡に2得点をあげ、勝利できましたが、自分は目の前に来たボールを蹴っただけです。クロスをあげてくれたり、セカンドボールを必死に取りに行ってくれた選手がいたからこそ決められたゴールで、決して自分一人の力ではありません。

怪我の具合もあって、調整して臨んだインターハイでは身体が思ったように動かず…不調で何もできないまま初めての全国大会はベスト16で終わってしまいました。
とても辛くて苦しかったです。

怪我を直すために中辻監督が信頼する関西の治療院にも何度か通いました。
福岡から関西に行くだけで交通費が嵩みます。
飯塚高校には関西から来ている選手もいるのですが、一人のチームメイトのご両親が事情を汲んでくれて、家に泊めてくれたんです。
ご自身の子どもは寮にいるのに、滞在中もとても親身になってくれました。

飯塚高校の保護者の皆さんは、部員達一人ひとりを自分の子どものように大切に思ってくれる方ばかりなんです。
感謝してもしきれない方々です。
その方たちに恩返しするためにも選手権を獲りに行きたい。

中辻監督は決して万全とは言えない自分を使い続けてくれました。
チームの皆は自分にボールを集めてくれました。
試合に出たくても出られない部員が沢山いる中で。

プレッシャーに負けてしまうのは、自分のことだけを考えて全て抱え込んでしまうからだと思うんです。

周りの人たちが自分にしてくれたことを思えばプレッシャーなんかに潰されている場合じゃない。 

プロになれたことは皆さんとても喜んでくれましたが、これはあくまで個人の話であってチームに貢献していることにはなりません。

13番を付けている以上、自分にはチームに結果を残す責任があります。
このことは自分だけの問題ではないのです。
沢山の人が支えてくれていることを忘れてはいけないと思いました。
逃げずに、とことん向き合って行きたいと思っています。

成長を止めない選手になりたい

ーーーガイナーレの練習に参加してみて、プロ選手はどんなところが違うと感じましたか?

高尾
頭では分かっていましたが、高校生の自分とは、本当に何もかもが違いました。

止める蹴るの技術は当然上手いですし、フィジカルも強く、スピードも速い。
判断も早くて適切なんです。高校サッカーを見ていると「今のは自分ならこうしていた」と思うこともあるのですが、そんなことが全く無くて。
すごいスピードで、次々に正解が繰り出されている感じでした。

練習が終わった後、全員の方が自主練をされ、ストレッチをして上がるんですが、その質と意識がとても高いことも、すごく勉強になりました。

ーーーガイナーレ鳥取で、どんな選手を目指していきたいですか?

高尾
まずは試合に出られる選手になれるよう、努力を続けていきます。

将来は鳥取をJ3からJ2、J2からJ1へと引き上げられるような選手になりたいです。
Jリーグで活躍できるようになったら海外も視野に入れたい。そしていつか、日の丸を背負って戦える選手になりたい。

その夢を叶えた時に、沢山の人に惜しまれて次のステージに送り出してもらえる選手になることが目標です。

そのためにも成長を止めないようにしたいです。
自分が止まっている間に他の選手達はどんどん新しいことをして、どんどん成長していく。
取り残されないように、抜かされないように進化を続けていきたいです。
資本となる身体をしっかり管理することにも、意識を高めていこうと思います。

飯塚高校には「兎を追い越す亀となれ」というスローガンがあります。
物語の中で兎は亀を見ているのですが、亀が見ているのは常にゴールであり、変わることが無いんです。
本来の目標を見失わずコツコツ努力することを教えてくれたこの言葉を、今後もずっと大切にしていきたいと思っています。

最後に

「サッカーは一人でするものではない」
人と関わるからこそ面白く、多くの実りを得る。
そのことに改めて気付かせてもらえたインタビューでした。

多くの人と関り、支えられてきた選手は強い。
これこそが高尾流星という選手の最大の武器なのではないかと感じました。

貴重なお時間を割いて頂きありがとうございました。
今後のご活躍を心の底から願い、応援しています。

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寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSテクニカルマイスターWriterCrane
滋賀県在住ライターのCraneと申します。
2022年8月にライター歴5年目に突入、サッカー娘の母歴は丸12年になりました。

どんな試合でも、その一戦を迎えるまでにどれほどの努力があったのか。そしてそこに、どれほどの方の支えがあったのか。

頑張っている選手達、それを支える保護者、指導者の皆様が持つ数多のドラマに想像を張り巡らせてはリスペクトが泉のように湧き上がる日々。
涙腺も年々緩くなり、留まることを知りません。

8チームから12チームくらいの規模の大会、16チーム以上の大きな大会ともに情報は常に募集しています。
大会結果画像、弾けるような笑顔のお写真、選手達のご活躍の様子をぜひお寄せ下さい。いつでもお待ちしています!

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