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指導者自ら見せる技術・成長を目指した進路が充実  クレセール福岡U-15 江口 孝一監督インタビュー

CRESCER(クレセール)福岡U-15は福岡市東区にあるジュニアユースサッカーチームです。

2017年にフットサルスクールを開校し、そのノウハウを活かしてサッカー選手の育成に尽力してきました。
2022年4月には、多くの要望を受けてU-15チームが発足。本気でプロを目指す選手たちの成長の場となっています。

監督の江口 孝一さんはプロFリーガーとして活躍後、フットサルの技術を活かしてサッカー選手の育成に取り組んでいます。
チームの指導方針や強みについてお話を伺いました。

お話を聞いた人

クレセール福岡U-15 江口 孝一 監督 プロフィール

選手時代にはFリーグ 、シュライカー大阪で主将として活躍。日本一にも輝いた経験がある。
引退後はシュライカー大阪、Jリーグ、ヴィッセル神戸でスクールコーチとして指導経験を積む。
現在福岡市東区のクレセールフットサルスクールにて指導をおこなっている。

戦績:出場通算146試合 34得点
Fリーグ準優勝3回
Fリーグカップ準優勝2回
フットサル全日本選手権優勝1回
出身校:東福岡高校→九州産業大学

充実した進路が強み

ーーーまだ新しいチームではありますが、1期生の皆さんは、既に多くの選手が進路が決まっていると伺いました。

クレセール福岡U-15 江口 孝一監督(以下、江口)
一部の選手は特待生として強豪高校へ進むことが決まっています。
他にも地域の有力校やクラブに進む子がいます。
それぞれの選手の希望や実力に合わせた進路選択ができているのではないかと思います。

ーーー主な進路先として、福岡県1部リーグに名を連ねる高校が多いですね。

江口
選手たちの意思が大きいというのが一番の理由ではありますが、私自身も比較的力を入れているところに進んでほしいなと思っているので強豪校への進路拡充には力を入れています。

ーーー江口監督は選手たちの進路選択について、どのような関わりを持っていらっしゃいますか?たとえば、面談や指導なども行うのでしょうか?

江口
面談指導は基本的にはあまり行わないのですが、進路については年に一度、3者面談を行っています。
1回目である程度の方向性を話し合い、2回目で具体的に決めていくような形です。
ちょうど今は2期生の3者面談の時期で、進路について保護者と選手たちと話し合いを重ねている段階です。
ここから本格的に進路選択が動き出します。

ーーーなぜ3者面談という形をとるのでしょうか?選手と指導者だけではなく、保護者を交える理由は何ですか?

江口
やはりジュニアユースのサッカー選手の進路は、保護者の意向も非常に大きな要素だと思っています。
選手自身はこうしたいと思っていても、保護者は別の希望を持っている場合もあります。
そのため、両者の意見を汲み取ったうえで話し合うことが重要です。
また、選手たちが思い描いている夢や希望を、保護者の方にも共有してもらう場として、この面談を設けています。
この共有プロセスを通じて、保護者の方にも納得していただきやすくなると考えています。

進路選択は、私は最も大事だと考えています。
例えば、クラブユースサッカー選手権や大会で結果を出すことももちろん大切ですが、それ以上に、選手一人ひとりがどの進路を歩むかが一番大事だと思っています。
その後の成長や人生に大きく関わる部分なので、指導者としてもしっかり向き合いたいと考えています。

クラブチームとしての実績はまだ1期生が今年卒業するところですので、これからが本当の勝負だと考えています。ただ、これまでスクールを通じて選手たちを育ててきた経験から、選手一人ひとりをしっかり成長させられる自信はあります。

実演を通じて伝える指導

―――江口監督は実際の練習中に、自らプレーを見せて指導されるスタイルを取られていますね。

江口
基本的には、サッカーは言葉だけで説明するのではなく、実際に動きやプレーをデモンストレーションすることで選手たちに伝えています。
実際に見せることで、選手たちがプレーのイメージをより具体的に掴めるようにとの狙いです。
サッカーは視覚から得られる情報がとても重要なスポーツですから、これには大きな効果があると感じます。

―――プロのFリーガーとして活躍されていた江口監督の技術を間近で見られることは、選手にとって良い影響が多そうです。

江口 
実際のところ、デモンストレーションを使った指導は指導者講習などでも推奨されるので、それ自体は特別なことではないと思っています。

ただ、意識的にその場に合った見本を見せたり、自分なりに丁寧に伝える工夫をするのはこだわっている部分です。
もしそれが子どもたちにとって分かりやすく、良い刺激になっているとすれば嬉しいですね。

実際に目で見て「こういう動きか」と腑に落ちる瞬間は、言葉だけでは得られないものがありますから。特に小学生や中学生の年代は、身体の使い方や動きの感覚を覚える大切な時期なので、伝えたいポイントを見せることで記憶にも残りやすくなると思います。

実力を発揮するためのメンタル強化

―――選手育成において、メンタルトレーニングに力を入れていると伺いました。具体的にはどのような取り組みを行っていますか?

江口
当クラブでは、年に4回、外部のメンタルトレーナーを招いて講習を行っています。

現在は福岡の飯塚高校サッカー部のメンタルトレーナーを務める方に協力していただいています。教わった中で特に重要だと感じたのは、「実力を発揮する力」の育成です。

練習で身につけたスキルを、プレッシャーのかかる試合でもきちんと発揮できるよう、選手たちにさまざまなメンタル強化の方法を伝えています。

―――メンタルトレーニングを導入したきっかけは何だったのでしょうか?

江口
入部してくる選手の中には、練習では良いパフォーマンスを発揮できるのに、試合本番になるとうまくいかなくなる選手が少なからずいます。

実際、プロの世界でもそういう課題を抱える選手は多いです。

育成年代のうちからメンタルトレーニングに触れることで、選手たちが試合本番で持てる力を存分に発揮できるようになるのでは、と考えました。

チームスポーツの良い点は、仲間をみんなでカバーできることです。

一人ひとりが自分の役割を果たし、周囲がサポートすることで、個々のミスや崩れを補うことが可能です。

チームとしてのメンタルの強さや結束力を育むためにも、メンタルトレーニングは非常に重要ですね。

―――江口監督ご自身もメンタルトレーナーの講習に参加されることがあるそうですが、何か印象に残ったお話などはありますか?

江口
「集中とはどこから生まれるのか」という話がとても印象に残っています。

指導者はつい「集中しろ」と指示を出してしまいがちですが、その具体的な方法や理由を改めて考えさせられました。
選手に伝える際に、自分の理解を深める良いきっかけになっていますね。

現役時代、私は緊張しやすいタイプでした。
特に大事な試合の前は胃が痛くなったり、吐き気がするほどプレッシャーを感じていました。
当時は音楽を聴くなど、自分なりに緊張をコントロールする方法を工夫していましたが、実際に自分も学んでみて、もっと早くメンタルトレーニングに触れていれば、と感じます。

私自身が本番での緊張や失敗を経験してきた分、選手たちには早い段階でその課題を克服してほしいと思っています。
メンタルトレーニングは、サッカーの試合だけでなく、日常生活や将来の進路など、あらゆる場面で役立つのではないかと考えています。

学校とは異なる「もうひとつの居場所」

―――クレセールにはどのように入団できますか?

江口
当クラブではセレクションは行っていません。
サッカーが大好きで、当クラブへの入団を希望する選手は基本的に全員受け入れています。
ただし、定員が決まっていて1学年18名までとしています。

定員がきまっているのは、人数を限定することで、全員がきちんと目が届く環境を作るためです。
一人ひとりの成長を大切にした指導が可能になりますから。
さらに言えば、異なる学校から集まった子どもたち同士が、より親密な関係を築きやすい環境にもなりますね。

―――部活とクラブチームの一番の違いは何でしょう?

江口
一番の違いは「居場所の多様性」と「指導力」ですね。

僕は部活をずっとしてきましたが、部活の良いところはやはり、学校生活と自然につながっている点だと思います。学校の授業後、そのまま活動に参加できるので、スムーズですよね。また、同じ学校の仲間と一緒に練習や試合をすることで、学校内での一体感が生まれるのが魅力です。

クラブチームの場合、さまざまな学校から子どもたちが集まるので、人間関係の幅が大きく広がるところが特長ですね。チームは福岡市東区にありますが、同じ学校の仲間だけにとどまらず、普段会うことのない年齢や背景の違う友達と関わることで、新たな視点が得られるのは、選手たちが成長していくうえでとても良いことだと思います。

クラブチームは、学校以外に、お子さんのもう一つの居場所となれる可能性が高いんです。部活でもし人間関係がうまくいかなくなると、それは学校生活の人間関係にも直結してしまう。
クラブチームには学校とは違う場所で、自分を受け入れてくれる仲間や頼れる大人と出会える環境があります。これは非常に大きなメリットだと思います。

クラブチームの場合、コーチ陣はサッカーについての経験と抱負な知識を持っている人が多いです。
そのため、トレーニングが体系的で、選手個人に合わせたきめ細やかな指導が可能になります。
一人ひとりの成長にフォーカスできる環境が整っていると言えるのではないでしょうか。

サッカーを上達したいという子どもたちはもちろん、自分らしく安心していられる居場所を求めているお子さんにとっても、クラブチームは良い選択肢になれると思っています。

――最後に、江口監督が選手たちを育てる上で目指しているビジョンを教えてください。

江口
目指しているのは、サッカーを通じて「自立した選手」を育てることです。
心も体も、そして考え方も自立していて、自分で考え、自分で決断できる選手を目指しています。

たとえば問題が起きたとき、すぐに指導者に答えを求めるのではなく、自分で考えて乗り越えられる力を持ってほしい。
そのために、私たち指導者は選手にヒントを与え、サポートすることを心がけています。

指導者としてヒントを与えるバランスは難しいと感じることもあります。
特に中学生年代の選手は、反抗期もあって自立を試みる時期でもあるので、その加減を調整するのが課題です。
彼ら自身が自分の答えを導き出すことが、成長の一番の近道だと思っています。

サッカーを通じて培ったこの自立心が、ピッチの中だけでなく、将来社会に出てからも必ず役立つと思っています。

クレセール福岡U-15HPはこちら!

最後に

今回のインタビューを通じて、江口監督の選手一人ひとりに寄り添う姿勢、選手の未来を見据えた指導が強く印象に残りました。
自らのプレーで見せる技術指導からメンタル・フィジカル強化まで、練習や指導のすべてが選手たちの成長と未来像を意識したものだと感じました。
充実した進路も強みのひとつ。選手自ら目標を持ち、自立を促す環境が整っていると感じます。
サッカーを通じて人としても成長できる環境がここにあります。
クレセール福岡U-15で新しい挑戦を始めてみませんか?

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSテクニカルマイスターWriterCrane
滋賀県在住ライターのCraneと申します。
2022年8月にライター歴5年目に突入、サッカー娘の母歴は丸12年になりました。

どんな試合でも、その一戦を迎えるまでにどれほどの努力があったのか。そしてそこに、どれほどの方の支えがあったのか。

頑張っている選手達、それを支える保護者、指導者の皆様が持つ数多のドラマに想像を張り巡らせてはリスペクトが泉のように湧き上がる日々。
涙腺も年々緩くなり、留まることを知りません。

8チームから12チームくらいの規模の大会、16チーム以上の大きな大会ともに情報は常に募集しています。
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