この記事は再掲です。
女子編に続き、令和元年度に全国高等学校体育連盟から発表された加盟・登録状況のデータから、高校サッカー部における試合出場難易度が一番高い県、一番盛んな県、一番人気がある県をランキングいたしました。
「ふむふむ、やっぱり!」、「えっ、意外な結果!」など高校サッカーのトレンドがデータにより明らかになりました。
↓本文は写真の下から始まります↓
~CONTENTS~
高校サッカー部が一番多いのは…
高校サッカー部でスタメンになるのが一番難しいのは…
高校サッカー部が一番盛ん&人気があるのは…
高校サッカー部が一番盛んなのは…
高校サッカー部が一番人気あるのは…
高校サッカー部が一番多いのは…
そもそも、各都道府県にサッカー部がある高校は何校あるのでしょうか?
地域ごと(地域の学校数/プリンスリーグ参加チーム数)に一覧表を作成しました。
【サッカー部がある高校数】
地域 | 県名 | 校数 | 県名 | 校数 | 県名 | 校数 | 県名 | 校数 |
北海道(200/8) | 北海道 | 200 | ||||||
東北(326/10) | 青森 | 54 | 秋田 | 32 | 岩手 | 53 | 宮城 | 71 |
山形 | 45 | 福島 | 71 | |||||
北信越(281/10) | 新潟 | 83 | 富山 | 44 | 石川 | 40 | 福井 | 29 |
長野 | 85 | |||||||
関東(1,218/10) | 茨城 | 109 | 栃木 | 66 | 群馬 | 65 | 埼玉 | 199 |
千葉 | 174 | 東京 | 341 | 神奈川 | 228 | 山梨 | 36 | |
東海(434/10) | 静岡 | 125 | 愛知 | 194 | 岐阜 | 59 | 三重 | 56 |
関西(620/10) | 滋賀 | 56 | 京都 | 78 | 大阪 | 235 | 兵庫 | 178 |
奈良 | 39 | 和歌山 | 34 | |||||
中国(281/10) | 広島 | 106 | 岡山 | 73 | 山口 | 46 | 鳥取 | 22 |
島根 | 34 | |||||||
四国(152/10) | 徳島 | 29 | 香川 | 38 | 愛媛 | 49 | 高知 | 36 |
九州(526/10) | 福岡 | 133 | 佐賀 | 43 | 長崎 | 57 | 熊本 | 62 |
大分 | 41 | 宮崎 | 46 | 鹿児島 | 78 | 沖縄 | 66 |
最もサッカー部がある学校が多いのは、東京都(341校)でした。全国高校サッカー選手権大会へは、東京都から2校出場することができます。都道府県代表として出場する難易度が一番高いのは大阪府(235校)で、神奈川県(228校)、北海道(200校)も200校以上あります。一番少ないのは鳥取県(22校)で、東京都の約1/15ほどでした。
また、インターハイは開催県は2校出場することができます。現在、FCバルセロナBで活躍してる日本代表の安部裕葵選手は、インターハイで活躍してスカウトの目に留まる事を目指して出身地の東京ではなく瀬戸内(広島県)へ進学し、大会優秀選手に選出されたことがきっかけで鹿島アントラーズへの入団を果たしています。
地域ごとの高円宮プリンスリーグに参入可能な学校数の割合を算出すると、一番ハードルが高いのは関東プリンスリーグ(0.82%)、次いで関西プリンスリーグ(1.61%)、九州プリンスリーグ(1.90%)、東海プリンスリーグ(2.30%)、東北プリンスリーグ(3.07%)、北信越プリンスリーグ・中国プリンスリーグ(3.56%)、北海道プリンスリーグ(4.00%)、四国プリンスリーグ(6.58%)の順になりました。実際にはユースチームもリーグに参加していますので、さらに狭き門になっています。
高校サッカー部でスタメンになるのが一番難しいのは…
スタメンとして試合に出られる難易度を計るために指標として、各都道府県の高校サッカー部員数を高校サッカー部校数で割って、1校当たりの部員数を算出しました。さらに、1校当たりの部員数を11で割って、ひとつのポジションを何人で争うかを算出しました。
【出場難易度ランキング】
順位 | 都道府県名 | 1校当りの部員(人) | ポジション争い(人) |
第1位 | 静岡 | 53.05 | 4.82 |
2位 | 埼玉 | 52.74 | 4.79 |
3位 | 熊本 | 52.50 | 4.77 |
4位 | 山梨 | 50.86 | 4.62 |
5位 | 千葉 | 49.66 | 4.51 |
6位 | 福岡 | 47.26 | 4.30 |
7位 | 愛知 | 46.69 | 4.24 |
8位 | 京都 | 44.97 | 4.09 |
9位 | 滋賀 | 43.91 | 3.99 |
10位 | 群馬 | 43.72 | 3.97 |
11位 | 宮崎 | 43.57 | 3.96 |
12位 | 三重 | 43.16 | 3.92 |
13位 | 石川 | 43.05 | 3.91 |
14位 | 長崎 | 42.30 | 3.85 |
15位 | 神奈川 | 42.24 | 3.84 |
16位 | 奈良 | 40.87 | 3.72 |
17位 | 山口 | 40.61 | 3.69 |
18位 | 大分 | 40.56 | 3.69 |
19位 | 栃木 | 39.83 | 3.62 |
20位 | 兵庫 | 39.61 | 3.60 |
21位 | 香川 | 39.39 | 3.58 |
22位 | 茨城 | 39.15 | 3.56 |
23位 | 佐賀 | 39.07 | 3.55 |
24位 | 宮城 | 39.04 | 3.55 |
25位 | 鳥取 | 38.91 | 3.54 |
26位 | 山形 | 38.69 | 3.52 |
27位 | 岐阜 | 38.36 | 3.49 |
28位 | 大阪 | 37.74 | 3.43 |
29位 | 愛媛 | 37.73 | 3.43 |
30位 | 広島 | 37.20 | 3.38 |
31位 | 長野 | 36.73 | 3.34 |
32位 | 福井 | 36.59 | 3.33 |
33位 | 東京 | 36.30 | 3.30 |
34位 | 富山 | 35.75 | 3.25 |
35位 | 島根 | 35.74 | 3.25 |
36位 | 鹿児島 | 34.00 | 3.09 |
37位 | 岡山 | 33.34 | 3.03 |
38位 | 新潟 | 33.33 | 3.03 |
39位 | 沖縄 | 33.06 | 3.01 |
40位 | 和歌山 | 31.71 | 2.88 |
41位 | 北海道 | 30.81 | 2.80 |
42位 | 徳島 | 30.69 | 2.79 |
43位 | 福島 | 30.63 | 2.78 |
44位 | 岩手 | 29.40 | 2.67 |
45位 | 青森 | 29.39 | 2.67 |
46位 | 秋田 | 27.09 | 2.46 |
47位 | 高知 | 26.78 | 2.43 |
第1位はサッカー王国として名を馳せる静岡県(53.05人/4.82人)でした。第98回全日本高等学校サッカー選手権大会 全国大会で静岡学園が優勝を果たしたのも記憶に新しいかと思います。選手権97・98回大会における部員数ランキングでは、東福岡(305人/27.72人)、興國(267人/24.27人)に次いで257人もの部員がいるため、ひとつのポジションを23.36人で争わなければなりません。
埼玉県(52.74人/4.79人)、熊本県(52.50人/4.77人)、山梨県(50.86人/4.62人)も1校当たり50人以上の部員がいる大所帯ですが、高知県(26.78人/2.43人)、秋田県(27.09人/2.46人)、青森県(29.39人/2.67人)、岩手県(29.40人/2.67人)は1校当たり30人以下で、学年ごとでは11人揃わないサッカー部もあるかもしれません。そんな中、青森山田には185人もの部員がいて、他校とは一線を画しています。
高校サッカー部が一番盛ん&人気があるのは……
サッカー部の盛ん度と人気度の相関関係をグラフ化しました。
右上に行けば行くほどサッカー熱が高く、左下に行くほど低い結果になります。
【盛ん度と人気度の相関図】
サッカー熱が盛んで人気がある都道府県は、人気度に一番因っているのは千葉県、盛ん度に一番因っているのは静岡県でした。インターハイ優勝回数でも、千葉県は、市立船橋9回、流通経済大柏2回、習志野1回、八千代1回を合わせて13回と一番多く、静岡県も、清水市商(現 清水桜が丘)4回、清水東4回、藤枝東2回、浜名2回を合わせて12回と千葉県に次いでおり、高校サッカーを牽引している2県です。
埼玉県もサッカー強豪校が集中している県であり、戦後の選手権では市立浦和4回、浦和3回、浦和南3回、武南1回、浦和西1回の合計12回の優勝を誇ります。最近では、ULTIMA FOOTBALL LEAGUEに参加している昌平高校もインターハイや選手権で上位に食い込んでいます。
盛ん度&人気度が一番低いグループの、秋田県、鳥取県、岩手県、岐阜県にも選りすぐりの強豪校がありますので、そういった強豪校に引っぱられる形で底上げがなされるといいですね。
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高校サッカー部が一番盛んなのは……
相関図に使用したサッカー部の盛ん度は、サッカー部のある高校数を全ての高校数で割って、都道府県の規模に対する割合を算出しました。
【高校サッカー部盛ん度ランキング】
順位 | 都道府県名 | 盛ん度(%) |
第1位 | 滋賀 | 10.18 |
2位 | 静岡 | 10.11 |
3位 | 埼玉 | 10.03 |
4位 | 東京 | 9.93 |
5位 | 長崎 | 9.88 |
6位 | 京都 | 9.73 |
7位 | 佐賀 | 9.64 |
8位 | 鹿児島 | 9.43 |
9位 | 大阪 | 9.43 |
10位 | 沖縄 | 9.40 |
11位 | 千葉 | 9.35 |
12位 | 福岡 | 9.30 |
13位 | 神奈川 | 9.28 |
14位 | 広島 | 9.26 |
15位 | 北海道 | 9.25 |
16位 | 岡山 | 9.23 |
17位 | 兵庫 | 9.21 |
18位 | 栃木 | 9.18 |
19位 | 島根 | 9.14 |
20位 | 茨城 | 9.09 |
21位 | 福井 | 8.98 |
22位 | 奈良 | 8.80 |
23位 | 新潟 | 8.74 |
24位 | 長野 | 8.67 |
25位 | 富山 | 8.66 |
26位 | 宮崎 | 8.65 |
27位 | 徳島 | 8.50 |
28位 | 愛知 | 8.49 |
29位 | 大分 | 8.37 |
30位 | 和歌山 | 8.29 |
31位 | 香川 | 8.28 |
32位 | 山梨 | 8.24 |
33位 | 熊本 | 8.20 |
34位 | 福島 | 8.16 |
35位 | 群馬 | 8.13 |
36位 | 三重 | 8.10 |
37位 | 高知 | 8.04 |
38位 | 山形 | 8.01 |
39位 | 青森 | 7.96 |
40位 | 愛媛 | 7.92 |
41位 | 岩手 | 7.73 |
42位 | 宮城 | 7.67 |
43位 | 岐阜 | 7.58 |
44位 | 石川 | 7.56 |
45位 | 山口 | 7.55 |
46位 | 秋田 | 7.22 |
47位 | 鳥取 | 6.04 |
一番サッカー部が盛んな県は滋賀県(10.18%)という結果になりました。
静岡県(10.11%)や埼玉県(10.03%)を上まわっています。
滋賀県は、現在Jリーグのチームがない8県(福井、滋賀、三重、和歌山、奈良、島根、高知、宮崎)のうちの一つではありますが、元日本代表の井原正巳選手をはじめとした多くのサッカー選手を輩出しています。特に乾貴士選手が在籍時の野洲高校は、華麗なプレースタイルからセクシーフットボールの異名をとり、第84回全国高校サッカー選手権大会で優勝を成し遂げています。また、ピピの愛称で知られるレアルマドリードの下部組織所属の中井卓大選手も滋賀県出身です。
東京都(9.93%)と長崎県(9.88%)は、選手権最多優勝回数6回で一世を風靡した帝京と国見の存在が大きいのではないでしょうか。
高校サッカー部が一番人気があるのは……
相関図に使用したサッカー部の人気度は、サッカー部員数を全ての体育会系部員数で割って、都道府県の規模に対する割合を算出しました。
【高校サッカー部人気度ランキング】
順位 | 都道府県名 | 人気度(%) |
第1位 | 千葉 | 25.39 |
2位 | 沖縄 | 24.66 |
3位 | 静岡 | 24.58 |
4位 | 佐賀 | 24.49 |
5位 | 熊本 | 24.32 |
6位 | 埼玉 | 24.26 |
7位 | 宮崎 | 24.20 |
8位 | 山梨 | 24.10 |
9位 | 京都 | 24.04 |
10位 | 茨城 | 23.66 |
11位 | 東京 | 23.34 |
12位 | 大阪 | 22.93 |
13位 | 福岡 | 22.87 |
14位 | 滋賀 | 22.63 |
15位 | 島根 | 22.46 |
16位 | 栃木 | 21.94 |
17位 | 群馬 | 21.84 |
18位 | 大分 | 21.82 |
19位 | 神奈川 | 21.80 |
20位 | 鹿児島 | 21.78 |
21位 | 香川 | 21.22 |
22位 | 広島 | 21.21 |
23位 | 長崎 | 21.09 |
24位 | 高知 | 20.92 |
25位 | 北海道 | 20.90 |
26位 | 長野 | 20.77 |
27位 | 岡山 | 20.31 |
28位 | 和歌山 | 20.13 |
29位 | 山口 | 20.10 |
30位 | 山形 | 20.01 |
31位 | 兵庫 | 19.96 |
32位 | 富山 | 19.55 |
33位 | 三重 | 19.52 |
34位 | 鳥取 | 19.48 |
35位 | 愛媛 | 19.31 |
36位 | 石川 | 19.29 |
37位 | 新潟 | 19.22 |
38位 | 奈良 | 18.94 |
39位 | 徳島 | 18.55 |
40位 | 福井 | 18.04 |
41位 | 宮城 | 17.87 |
42位 | 青森 | 17.75 |
43位 | 愛知 | 16.71 |
44位 | 福島 | 16.46 |
45位 | 岐阜 | 15.94 |
46位 | 岩手 | 14.99 |
47位 | 秋田 | 14.19 |
上位の千葉県(25.39%)、沖縄県(24.66%)、静岡県(24.58%)、佐賀県(24.49%)、熊本県(24.32%)は、部活生の概ね4人に1人はサッカー部員ということになり、40人学級の場合、クラスに約10人サッカー部員がいることになります。
沖縄県の人気が高い理由は、女子編でも述べましたが、他県と比べて私立のサッカー部が少なく、公立校では5年ごとに指導者が異動になるたびに異動先で部を発足させたからのようです。
また、九州各県には全てJチームがありますが、サガン鳥栖とロアッソ熊本はそれぞれの県出身選手の割合が多いです。地元に対する郷土愛が強く、Jチームの存在が大きいのかもしれません。インターハイの中止が決定してから真っ先に代替大会の開催を決め、さらに1回戦からライブ配信することを決めたのは佐賀県でしたし、2016年の大地震や先日の豪雨被害を受けて地元ために奔走している元日本代表の巻誠一郎氏は熊本県出身です。
下位の愛知県(16.71%)、福島県(16.46%)、岐阜県(15.94%)、岩手県(14.99%)、秋田県(14.19%)でも、部活生の概ね6~7人に1人、40人学級の場合ではクラスに約6~7人サッカー部員がいることになりますので、サッカー部はスポーツ系の部活において人気があることがうかがえます。
(データ参照:全国高等学校体育連盟)
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最後に
女子編と比べて、男子編はデータの上位と下位で大きな差があまりないのが特徴的でした。どこの県でも運動系部活として、サッカー部の人気が高いからかもしれません。
また、千葉県や静岡県がランキング上位にくるのは想像していたとおりでしたが、滋賀県や佐賀県、熊本県が上位に来ることは正直予想していませんでした。しかし、掘り下げて調べてみると、『人』であったり、『郷土愛』であったり、それぞれに納得のいく理由があることがわかってよかったです。
数年後、今は下位グループに甘んじている県が巻き返して人気が爆上がりしていると素敵ですね!
静学の優勝はカウントしない?