- セレクションに受からない…
- セレクションは「水物」?
- セレクションはこんなところを見られている!
- 足を速くするにはどうしたらいい?
- コーチング:「声を出す」ってどうすること?
- 身長の高い選手が有利、は本当?
- 面談は参考程度
セレクションに受からない…
セレクション中級者向けに、
「なぜあの子は受かって、自分は落ちるのか?」
「なぜ何度受けても受からないのか?」
を検証しました。
ここでいうセレクション中級者とは、
・セレクションが初めてではない
・セレクションにどうしても受かりたい
・でも全然受からない
という選手のことです。
そしてさらに、
・長所はあるが、突き抜けられていない(同レベルはたくさんいる)
という状態の選手のことも指します。
足は速いが、50mは7秒台中盤、リフティングは5分は続くが1時間は続かない、という選手のことです。
まだ受けたことがない!という選手は、初心者向けの記事を参照して下さい。
なお、基準の偏りを防ぐため複数チームの取材をもとに記事を作成していますが、すべての地域、すべてのチームに当てはまるわけではないかもしれません。ご了承ください。
セレクションは「水物」?
セレクションは就活に似ている
セレクションの合格基準が明示されることは、絶対にありません。どのような選手がほしいかの細かい基準が指定されることも、公表されることも絶対にありません。公表されて「がんばれる選手」「努力できる選手」くらいではないでしょうか。
このため、よほど突き抜けていない限り、
どんなに足が速くても、
どんなにリフティングがうまくても、
落ちるときは落ちるということが起こります。
保護者の方は、就職活動を思い出していただけるとよいと思います。就職活動は、適性テストの成績が良ければ受かる、というものではありませんよね。
その会社の求めている人材像に合致しないと、内定はもらえなかったはずです。
セレクションも、これと一緒です。
選ぶ側は常に先のことを考えています。自分が見出した(=セレクションに合格させた)選手が活躍する将来を見越してできるだけいい選手を取りたい。そのための選考試験が、セレクションです。
今現在の力だけでなく、これからどのような選手になりそうかの未来予想図も加味して選手が選ばれます。
なので、セレクションは「水物」です。
A地区では受かったのに、B地区では落ちたということは頻繁にあります。それは、求められた選手像に合致しなかったということが原因です。
パワーバランスも合否に関係する
セレクションに行ってみた
→自分の希望ポジションに県代表レベルがごろごろいた
→慌てて一番人数が少なかったキーパー枠にコンバート
→合格
という嘘のような本当の話があります。
セレクションを受験するとき、高学年になると希望ポジション記入欄がありますよね。中学生からのジュニアユースのクラブチームのセレクション申込書にも、必ず希望欄があります。
主催者としては来た中からベストの選手を選びたいと思うのは当然です。
このため、人材豊富なポジションに応募してしまうとどうしても落選してしまうということがあります。
セレクションは水物。だから、落ちたとしてもへこむ必要はないのです。
へこんで、「もう受けない」と落ち込んでいる暇があったら、「なぜ受からなかったか?」「どうしたら受かるのか?」を考えましょう。
セレクションはこんなところを見られている!
セレクション現場を見ていると、絶対的にうまい選手が1~2割、これは今回は無理かもと思わせる選手が1~2割、この辺は甲乙つけがたいという選手層が6~8割というパターンが多いようです。
中級者の方は、6~8割に入ることが多いのではないでしょうか。この中で、いかに上位の1~2割に近づけるかということが合否の決め手になってきます。
セレクションは、ほとんどがゲーム形式で行われます。
バインダーと筆記具をもって立っている審査員コーチが必ずいますよね。彼らは、こんなところを見ています。
・自分が今何をすべきかわかっているか
・自分の頭で考えてプレーしているか
・伸びしろはありそうか
・チームに貢献することができるか
・コミュニケーションは取れるか
・技術はどうか
それぞれ、次のようなポイントで判断されています。
・自分が今何をすべきかわかっているか
・自分の頭で考えてプレーしているか
・伸びしろはありそうか
・チームに貢献することができるか
・コミュニケーションは取れるか
・技術はどうか
これらのスキルは、どのように身につければよいでしょうか。
自分が今何をすべきかわかっているか
攻めるところと、守るところ。
バレーボールやテニスとは違い、サッカーやバスケットボールは攻守の切り替えが勝敗を分けるといっても過言ではありません。
攻めているときは攻め、ボールを奪われたら切り替える。口で言うのは簡単ですが、自分たちが攻めている時は大きく展開し、守るときはコンパクトに絞る。この切り替えが素早くできるジュニア選手は、決して多くありません。
広い視野があるか、柔軟に対応できるか。「サッカー脳」とも言われる切り替えができるかどうかがその子のサッカーセンスということになります。
ボールを目の前で取られたとき、すぐに取り返しに行けるかという動作もここに入ります。球際厳しく当たりに行けるか、パスコースを切れるか、その部分は「センス」と言い換えられることもあります。
実際に、このバランスを反射のように取れてしまう選手がまれにいます。このため、「センス=才能」という言葉であきらめられてしまいがちです。
あきらめないでください。才能のある選手なんて、ほんの一握りです。日ごろの練習で「今なにをすべきか」を意識するだけでプレーは変わります。
自分の頭で考えてプレーしているか
サッカーはチャレンジの連続です。どこにパスを出すか、ドリブルで突破するのか。クリアするのか、突っ切るか。
これを「反射」でやっている選手と、「意図」でやっている選手がいます。来たボールはとりあえず取られるまでドリブルしてしまう選手がいます。クリアしかしない選手もいます。これは、「反射」です。
場面に応じて、パスやドリブル、攻撃の方向を使い分けられるのが「意図」です。
意図で失敗するのは良いチャレンジです。頭で考えている証拠なので、失敗したら修正することができるからです。
こちらも、一朝一夕には育たない力です。普段の練習から、自分の頭でプレーを選択する意識がないと育たない力でもあります。
練習で意識して身に着けることと同時に、上手な試合をたくさん見せてあげることです。なぜ今このプレーを選択したのか、話し合いながら見ることは、お子さんにサッカー脳を作ってあげることにもつながります。
伸びしろはありそうか
素直か、ということにもつながります。肉体的、筋肉的、身長的に恵まれているかということは、そのときかぎりのトレセンはともかくとして、クラブチームのセレクションにはほぼ関係ありません。
ジュニア年代の体型は、目覚ましく変わります。小学校のうちに170cm台まで伸びる選手もたくさんいますが、最終的に彼らが190cmになるかというと、その保証はどこにもありません。
170cmだからといって、ヘディングに頼ったプレーしかしない選手は、周りの身長が伸びてくる中学年代以降の伸びしろがあまりないことになります。このため、現在の体型に関わらず、プレーの幅が広いかどうかということも重要になってきます。
伸びしろは、「素直に人の言うことを聞ける力」です。もって生まれた能力より、その後の努力がその選手を伸ばします。このため、素直かどうかというのは、かなり大切な問題です。
チームに貢献することができるか
ワンマンプレーだけでは、勝利することはできません。ボールを取りに行くことも立派な貢献ですが、相手がボールを取れないように、止めておくことも貢献です。得点した選手が受かるわけではない、というのはこの辺りに原因があります。
プロの試合を見ていても、シュートする選手と並走して走り、相手ディフェンダーをひきつける「つぶれ役」がいます。自分の得点になることはありませんし、パスが来なければ「走り損」になることもあります。
ただ、選考するコーチたちは、必ずそのあたりのことも見ています。自分の得点にならないプレーをしない選手よりも、チームのために体を張り、一見無駄な努力を繰り返せる選手は地味でも評価されます。
これも、普段の練習から意識することでプレーを変えることができます。
コミュニケーションは取れるか
特にトレセンで見られることが多いようですが、トレセンはいわばその時限りの寄せ集めになることがあります。学校でもクラスメイト、チームでもチームメイトという濃厚な関係ではありません。
短期間で戦えるチームを作り上げるときに大切なのは、人とコミュニケーションが取れる選手かどうかということです。
・まずは、あいさつができるか。
・人の目を見て話が聞けるか。
といった基本コミュニケーションだけでなく、
・知らない仲間と意見交換ができるか。
・試合中に声は出せるか。
というところも、ちゃんと見られています。
試合中に声は出せるか、については後半に詳しく載せます。
技術はどうか
最後に、技術です。頭を使えていても、技術がないとそのプレーが形になることはありません。
自分の「意図」をプレーで表すことができるようになるには、もう少し足が速ければいいのか、それともパスが正確に出せるようになればいいのか、それぞれの強みを生かして必要な技術を練習しましょう。
必要な技術は
・ダッシュのできる足
・上手なボールコントロールスキル
・コーチング(声を出すとは?)
です。
足を速くするにはどうしたらいい?
足を速くしたい場合には、次のような練習方法があります。
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