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見学するチームを決める前にしておくこと 中学からのチームの選び方準備編Vol.4

中学からのチームの選び方、Vol1~3までは先輩保護者の体験談をもとにクラブチームを選ぶ時にどんな情報を調べたか、どんなことに気を付けたか、などをお送りしてきました。

Vol.4では見学するチームを決める前にしておくことを、5つのアクションに沿ってご提案します。

5つのアクション

  • 引き出す
    お子さんの気持ちや希望を明確にしてチーム選びの方針を固めます。
  • 絞る
    大事なことがたくさんある場合、優先順位をつけて特に大事だと思うことを絞ります。
  • 分ける
    優先順位の高い希望を、すぐに叶うこと・そうでないことに分けて考えてみます。
  • 比較する
    気になっているチームをピックアップして一覧表にまとめて比較します。
  • 約束する
    クラブチームに入団する上で最低限守って欲しいことを決め、約束します。

もちろん、「絶対こうしなければならないわ!」というものでは断じてありません。
・サッカー進路について親子で迷子になっている・・・
・子供に聞いてもはっきりした答えが返ってこない・・・
・もうそろそろ決めなくちゃいけないのになかなか決まらない・・・

もしも、こんなふうな状況であれば、気楽に試してみてください。

CONTENTS
アクション1. 引き出す
アクション2. 絞る
アクション3. 分ける
アクション4. 比較する
アクション5. 約束する

アクション1. 引き出す

チームを選ぶ際、まずはじめに大事にしたこととは?

先輩保護者のみなさんに、お子さんのチーム選びの際、まずはじめに何を大事にしたのかをうかがってみました。

J下部 お子さん中学生
まず、子供が心に抱いている夢、目標、そして「本当はどのチームに行きたいのか」をしっかりと時間を掛けて引き出す事が大切だと思いました。例え難しい目標であっても、本人が希望するならぜひチャレンジさせてあげたいです。サッカーを楽しみたい、好きな仲間とサッカーをやりたいということであっても良いと思います。子供の気持ちを第一に考え、本人が本当に行きたいチームを選ぶ方が良いと思います。

J下部 お子さん中学生
我が子は自分がどうしたいのか具体的な考えがまとまっていないようでした。
それでも最後は本人に決めて欲しいと思ったので、子供の気持ち、本音の部分を大切にしてあげたいと思いました。

チーム選びの方針を固める上で大事にしたいのはお子さんの気持ち

先輩保護者の皆さんも言うように、チーム選びの方針を固める上で、お子さんの気持ち、希望はやはり大切にしてあげたいことだと思います。

3年間の中学生活と両立し、クラブチームでサッカーをするのは他の誰でもないお子さん自身。
まずは本人が「どうしたいか」を引き出し、チーム選びの方針を決めていきましょう。

「ない」のではなく、「言葉にできない」だけ 焦らず時間をかけましょう

お子さん達の中には、中学からの希望がはっきり決まっている子、まだ分からないという子、様々いることと思います。

「中学からはこのチームに入ってプロを目指したい。」
もしも、お子さんがこんな風にしっかりと希望を口にし、目標に向かってきちんと実行に移してくれたら・・・保護者としてはあれこれ悩まなくて済むかもしれません。

「中学からはどうしたいの?」
「うーん・・・サッカーは続けたいけどチームのことはあまり分からない・・・」
実際、こんな会話をされているご家庭も少なくないのではないでしょうか?
「何を聞いても「分からない」というばかり・・・うちの子はサッカーがそんなに好きじゃないのかな・・・」
中にはそんな風に心配になってしまう保護者の方もいると思います。

しかし、お子さんたちは、明確な希望や気持ちが決して「ない」のではなく、「言葉にできない」だけなのではないでしょうか?
サッカーがしたいという気持ちはあっても、具体的にどのチームに進み、どんな生活を送るのかまで、お子さんの中で上手く整理が出来ていないだけなのかもしれません。

まずは親子で色々な会話をして、ゆっくり時間をかけて気持ちを和らげてあげてはいかがでしょう。それから本題に入っても決して遅くはありません。

話合いがうまくいかない・・・そんな時どうした?

中には話し合いをしているうちに、お互い熱くなってしまってなかなか上手く話が進まないということも。
そんな時、どうしたのか先輩保護者にうかがいました。

街クラブ お子さん中学生
「サッカー進路について話していると、ついついアドバイスしたくなり、気が付いたら親子げんかに・・・。これでは子供が気持ちを言いにくいかな、と思い、サッカーノートに今の気持ちや中学からの希望を書かせてみました。お互いに冷静になれるし、子供の正直な気持ちが知れるのでおすすめです。」

お子さんに気持ちや希望を箇条書きにしてもらいましょう

話し合いだとなかなか進まない・・・という場合、紙に書くという方法があります。

お子さんに今思っていることを全て箇条書きにしてもらいます。
項目などを分類せず、思いついたことをひたすら箇条書きしてもらってください。

お子さんが作業している間は保護者の方は「それは無理でしょ!」など、否定することは一切言わないことが望ましいです。

チーム選びチェックシートのサンプルをご用意しました

「箇条書きなんてめんどくさい・・・」

そう言われてしまった時のために、お子さんが比較的簡単に取り組めるよう、チェックシートのサンプルをご用意しましたので参考にして頂けたらと思います。

お子さんが思っていることに〇をつけてもらいます。〇は何個つけても構いません。直感で思った通りに素直に〇を付けてもらってください。

例として以下の項目を挙げていますが必要に応じてどんどん付け足していってください。

チーム選びチェックシートのサンプル

上記をPDFファイルにしています。ダウンロードしてご活用ください。

アクション2. 絞る

たくさんある大事にしたいこと そのなかで特に優先したいことを確認しましょう

お子さんの気持ちに保護者の意見も合わせると、チーム選びの方針として大事にしたいと思うことは、かなりたくさんになってきます。

しかし、その全てを兼ね備えたチームは・・・やっぱり、なかなか無いものですよね。
そこで優先順位をつける、ということが必要になってきます。

アクション1で書き出した(〇をつけた)項目のうち、大事だと思う項目から並び替え、最初の5つくらいまでを優先的に考えてみましょう。
これを行うことで、お子さんの希望が優先したい順に整理され、項目が絞れてきます。

参考例

例1
信頼できる指導者のもとで練習したい
練習内容が面白いチームが良い
家から近い
試合に出たい
勉強と両立させたい

例2
プロになりたい
レベルの高い選手の中で質の高い指導を受けたい
エリアリーグ所属のチームが良い
所有グランドがある、所有バスがあるチームが良い
試合数は多い方が良い

アクション3.分ける

優先順位をつけたら、さらに整理してみましょう

お子さんの希望には、叶うかどうかすぐに分かることと、そうでないことがあります。

アクション2で絞った希望を大きく4つに分けて考えてみましょう。
・調べたらわかること
・質問したらわかること
・体験時にある程度わかること
・入団しないとわからないこと、本人の努力も必要なもの

これらにアクション2の参考例をあてはめていきます。

例1
家から近い調べたら分かること
試合に出たい(練習試合が多いか、全員にチャンスがあるか、など)→質問したらわかること
練習内容が面白いチームが良い→体験時にある程度わかること
試合に出たい(公式戦)→入団しないとわからないこと、本人の努力も必要なこと
信頼できる指導者のもとで練習したい→入団しないとわからないこと、本人の努力も必要なこと
勉強と両立させたい→入団しないとわからないこと、本人の努力も必要なこと 

あてはめることで以下のことが整理されると思います。
・クラブチームを選ぶ方針
・体験時に意識すること
・チームに質問すること
・入団後に頑張らなくてはいけないこと

例えば、「家から近い」という希望は練習場所などの住所が開示されていたら、叶うかどうかすぐに分かります。
「試合に出たい」という希望は、年間の試合予定数や、A,Bなど複数のチームが作れそうかなどをチームに質問して、大体のことが分かれば検討できるかもしれません。
では、「信頼できる指導者のもとで練習したい」という希望は、どうでしょう?
口コミでチームの評判や指導者が良いと聞いていても、人間同士、相性もあることなので体験してみて、もしくは入団してみないことには分からないかもしれません。
「プロになりたい」という希望も、そのチームに入ればだれでもがプロになれるという訳ではないので入団後にどれだけ頑張れるか?ということになってきます。

このように、希望を分けて考えてみることで、色々なことが見えてきます。
体験時に質問したいことが出てきたり、クラブチームに入団することがどういうことなのか?ということをお子さんに考えてもらうきっかけにもなると思います。

実際に行動すると起きてくるいろいろなことは次週、行動編vol.5で紹介します。

アクション4. 比較する

お子さんの希望を明確化し、整理ができたら、それらを参考に、気になるチームを3~4、ピックアップして比較してみましょう。
項目を挙げて一覧表にまとめると、整理しやすいと思います。

チーム一覧表のサンプルをご用意しました

ピックアップしたチームを一目で比較できるよう、一覧表のサンプルをご用意しましたので参考にしてみてください。

項目例
◆通い方・・・家から活動場所へはどのように移動するか
◆自分の時間・・・練習前後の自由時間、勉強時間などがどのくらいあるか
◆良い点・・・そのチームに入ってから自分にとってどんなメリットがあるかなど
◆気になる点・・・そのチームに入ってから心配なことなど
◆体験してみて・・・事前に持っていた印象と実際に体験してみての比較や、体験の感想などを書ける欄を設けておくと便利です。

チーム一覧表サンプル

アクション5. 約束する

クラブチームの決定はゴールではなく、スタート

ジュニアユースクラブに入団すると、お子さんの生活は小学生時代とは一変します。
ハードになる練習、夜遅くなる帰宅時間、週末は試合に遠征と、サッカーの時間が増え、自由な時間が減っていきます。

中学の生活の中でも、色々なことがあります。
特に勉強面。どんどん難しくなる授業に、テスト前に出される山積みの課題・・・クラブチームでサッカーを頑張って、サッカーでの結果さえ出せれば他のことはどうでもいい、という訳にも行かないでしょう。

ここで、今一度お子さんにクラブチームの決定はゴールではなく、スタートであるということを意識してもらう必要が出てきます。

クラブチーム入団後に中学生活と両立していく上で、最低限守らせることを決めて、親子で約束することをおすすめします。

約束の内容を具体的に考えてみましょう

ご家庭での「最低これだけは守って欲しい」という項目を決めて、まずは出来る範囲での約束について、親子で話し合ってみてください。
以下に約束の具体例を示していますので、参考にしてください。

◆勉強についての約束

クラブチームでは学期ごとの成績の提出が求められている所も少なくありません。
プレッシャーを与え過ぎず、あくまで「サッカーをしたいから成績をキープしたい!」というモチベーション向上に繋げることを目的とすると上手く行くでしょう。

具体例
・定期テストでは5教科合計350点〜400点を目指す

・熟、通信講座は休まない
・学校の提出物の期限は必ず守る
・漫画を読む、テレビ、動画を見る時間をなるべく読書に充てる

◆自己管理についての約束

体調管理

ジュニアユースからはコートが広くなる分、走る距離が増えるので、走力、持久力をつける練習に重点を置くチームもあります。また、激しい接触プレーを想定してフィジカルを鍛える必要も出てくるでしょう。
今まで以上にハードな練習をこなすことは、最初は大変かもしれません。
しかし、どんなに疲れていても
、翌日に学校を休むということは避けて欲しいもの。
体調管理のはじめの一歩として、充分に休息をとるためのルールを考えてみるのもよい方法です。

具体例
・毎日11時には布団に入る
・しっかり寝るため、スマホは枕元におかない
・練習で疲れたという理由で学校を休まない

時間管理

クラブチームの活動では、練習や試合の集合時間に遅れないということを含め、時間管理の意識が求められるようになります。
時間を守るということに加え、忙しいクラブチームの活動の中で、勉強の時間、休息の時間、自由な時間を確保する必要も出てきます。そのため、練習前、練習後のどんな場面でも一分一秒を無駄にしないという意識が大切になってきます。

サッカー以外にもやるべきことがあるのは分かっていても、練習場所へ自分達だけで通うようになると、仲間同士での時間が楽しくてついつい遊んでしまうということも出てきます。
子供たちだけでの行動は、自立のチャンスでもありますが、自由な時間ばかりが増えてしまい、勉強の時間や休息の時間とのバランスが悪くなってしまうこともあるでしょう。
時間に関するルールを決めておくのも大事なことです。

具体例
・練習や試合の集合時間に遅刻しない。
・勉強する時間を決め、必ず守る。

・自由時間を決める。
・平日は練習後に寄り道しない。
・オフの日に遊ぶ時は帰宅時間を守る。

物の管理

物の管理や準備に関することで、約束を決めておくのも良いと思います。
練習後のスパイクを自分で洗う、水筒を準備する、練習や試合の準備は前日までにするなど、お子さんに出来そうなことから順に提案してみてはいかがでしょう。

具体例
・遠征準備は前日夜までに必ず自分でする
・スパイクは自分で洗う
・水筒の管理は自分でする
・練習、遠征から帰ったら、洗濯物はすぐに出す

◆スマホやSNSに関する約束

交通の便がよほど悪いところ以外は中学生にもなれば自分たちで電車や自転車で移動するということも増えてきます。その際に仲間同士で連絡を取り時間や移動手段を決めるようになるので、スマホを持つ選手が多くなるかもしれません。

スマホは便利な反面、色々なトラブルを引き起こす可能性も否定しきれないので、最低限のマナーや使用時間についての約束をしておく必要がありそうです。

具体例
・スマホを見ても良い時間を決め、必ず守る
・ゲームアプリは入れない
・SNSで人の誹謗中傷をしない
・SNSで不適切な投稿をしない
・歩きスマホ、自転車に乗りながらのスマホは絶対にしない。電車内でのマナーは守る。

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中学からは部活?クラブ?そのもやもやを吹き飛ばす説明会に行ってきました
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最後に

来週からは行動編をお届けいたします。
実際に行動に移した時、どんな発見があるのか?先輩保護者のお話から、また新たなヒントがみつかります。お楽しみに!

寄稿者プロフィール

JUNIOR SOCCER NEWSテクニカルマイスターWriterCrane
滋賀県在住ライターのCraneと申します。
2022年8月にライター歴5年目に突入、サッカー娘の母歴は丸12年になりました。

どんな試合でも、その一戦を迎えるまでにどれほどの努力があったのか。そしてそこに、どれほどの方の支えがあったのか。

頑張っている選手達、それを支える保護者、指導者の皆様が持つ数多のドラマに想像を張り巡らせてはリスペクトが泉のように湧き上がる日々。
涙腺も年々緩くなり、留まることを知りません。

8チームから12チームくらいの規模の大会、16チーム以上の大きな大会ともに情報は常に募集しています。
大会結果画像、弾けるような笑顔のお写真、選手達のご活躍の様子をぜひお寄せ下さい。いつでもお待ちしています!

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