※この記事は再掲です
ジュニアサッカーNEWSでは、全国各地からトレセンコーチ・チーム指導者にインタビューに応じていただきました。インタビューをまとめて「みんなのトレセン」シリーズをお送りしています。
初級編では、
・お子さんの「身体能力」を把握しよう
・ボールから逃げない
・基礎練習・基本動作
・びっくり!リフティングが選考メニューにある理由
・声を出す
について、全国20名の指導者の方々にうかがったことをまとめました。
「さらなるレベルアップのために何をしたらいい?」
今週は中級編です。ここでは、すでに地区トレセンや支部トレセン(その地域の中で一番入り口になるトレセン)に合格している子が、さらに上を目指すためのプラスアルファについてお伝えします。
※下記の意見は、サッカー協会の示す公式な見解ではありません。
あくまでも一つの意見として参考にしてください。
また、サッカー協会へのお問い合わせ等はお控えください。
自主練でできることは少ない
自主練でできることが少ない分、チームでの練習を真剣にやることがとても大事になってきます。
特にトレセンの場合、県トレセンなどの上位トレセンになってくると基礎の部分の計測はなくなるのが普通です。「できていて当たり前」だからです。
ポイント
チームの中で練習できることを一生懸命やるのが基本。
コミュニケーション能力を高める
コミュニケーション能力は人と会話をする能力だけではなく、人と意思を疎通する能力です。トレセンは常に初対面の人と一緒にチームを組んで試合をします。コミュニケーション能力はどうやって育てたらよいのでしょうか。
一人っ子にコミュニケーション能力は育ちにくいと言っているのではありません。
一橋大学経済学部の論文の中にこんな文章を見つけました。
子供の認知能力・非認知能力の発達にとって重要なのは、家庭内において親子関係が良好であることであるとわかった。これは、親子の会話や関係性の中で、子供たちがその能力を形成していくからだと考えられる。
この論文には
- (コミュニケーション能力に関して)兄弟数に有意な結果は得られない
- 子どもが親から愛されていると感じる度合いが上がるとコミュニケーション能力は上昇する。男子よりも女子のほうがその割合は若干大きい
- 母親にせよ父親にせよ、会話が多いと子どものコミュニケーション能力は優れる
とあります。
これにおいて、父親あるいは母親がいない家庭でもそのこと自体によるコミュニケーション能力への影響は少なく、
- 親子の関係が良好であることがコミュニケーション能力を高める
ことが示唆されています。
コミュニケーション能力はどうやって育てるの?
兄弟数は関係ない。
サッカー脳・サッカー勘を育てる
サッカーを見に行く環境が少ない。週末のJリーグも見に行っている子は案外少ない。 たくさんプロのサッカーを見ること。解説の話もよく聞くこと。それらがサッカー理解度を上げる。生で見られたらもっといい。Jリーグは今テレビで見られないから。
活動の盛んなチームに入っている子ほど、実際にプロのサッカーを見ることは少なくなっているといいます。
ですが、どんなこともまねするのはとても大事。世界のトップレベル、日本のトップレベルの選手を見て「どうして今こんなことを?」「こんなことができるのか!」と考えることもとても大切です。
確かにJリーグは今テレビで見られなくなってしまいました。ですが、日本代表のサッカーや高校サッカー選手権などはテレビで普通に見ることができます。まずお子さんとたくさん試合を見ることからサッカー脳を育てる試みを始めてはいかがでしょうか。
自分の子ばっかりとるのではなく、16人が入る撮り方をしている保護者の子のほうがサッカー勘は育っていると思う。「逆サイド!」という時に自分の子しか撮っていなかったら、逆サイドが空いているのがわからない。全体を撮っているとなぜ「逆サイド!」と叫ばれたかがわかる。コーチが言っていることがわかると次のプレーにすぐ活かせる。そういうことができている子が上位に行きがち。(トレセン選考期間の)2日間でも伸びる子はすごく伸びる。
ポイント
自分の試合を見直すことも勉強になる。
我が子の試合のビデオを撮るなら、全体が入るように撮ろう。
1つ上のカテゴリーを目指せ!
自チームとトレセンは分けて考えがちだが、サッカーがうまくなることは試合に勝つことではない。今までできなかったことができるようになること、同じプレーが1つ上のカテゴリーでできるようになること。4部リーグでできることを3部リーグでできるようになること。
活躍するための準備は自分のクラブの中で100%出すこと。同じ学年の中で自分は何番目?自分に足りないところがあったら、それは何?って考えること。
向上心と言い換えられるかもしれませんが、このような気持がないと上まで行くことはできないということです。
この気持ちをもってプレーしている子と、この意識を持てない子の間には大きな溝が生まれます。
ポイント
ひとつひとつ上へ。
最後にこちらのメッセージをお届けします。
一生懸命すると誰かが絶対見ていてくれる。そこでは選ばれなかったとしても、絶対に誰かが見ていてくれるから。トレセンに受かることはゴールではない。一喜一憂せずに、できることをやっていくこと。
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最後に
これらはすべて、日常生活の中やチームでの練習の中で学べる事ばかり。「普段」が一番大切なので、それをなおざりにしてテクニックを入れようとしても必ずどこかで成長が止まる、ということです。
一瞬で身に付く魔法のようなテクニックはありませんが、努力していく中で気が付いたらいつの間にか上級テクニックを手にしていた、ということはどのスポーツでも勉強でもあるようです。
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