もうすぐ高校進学を控えた中学3年生のみなさん。
受験や、公式戦の機会が減るなど、運動量が不足しがちになる選手も少なくないかもしれません。
高校サッカー部での厳しい練習に耐えうる身体を作るには何を意識すれば良いのか。どんな練習が効果的なのか。
こちらの記事では進学に備えて知っておきたい身体づくりについてまとめてみました。
「持久力」「使うべき筋肉はどこか」「体幹トレーニングで意識すること」「睡眠の重要性」
この4つを意識して良いスタートが切れるようにして欲しいと思います。
まず意識すべきは「持久力」
高校サッカー部の練習量やその内容は中学生年代に比べて各段にハードになることが予想されます。
しかし、高校入学を控えた中学3年生の選手の中には一般受験をしたり、公式戦が終了したことで練習量が減ってしまっている方もいるでしょう。
高校サッカー部での練習が厳しすぎてついていけなくなったり、慣れない中頑張りすぎて入部早々に怪我をしてしまうケースも少なくないと聞きます。
スタートダッシュでつまづかないためにもまず意識したいことが「持久力」です。
中学生までは30分ハーフだった試合も高校からは40分ハーフに。ずっと全速力で走っている訳ではないものの献身的なハードワークが求められる競技において持久力は必要不可欠と言えるでしょう。
持久力を高めるためには心臓から送り出す血液量を増加させたり、筋肉に張り巡らされている血管を増やすということが重要とされています。
400mトラック1周を自分のベストタイムで走り、半周は歩いて休憩。そしてまた1周は全力で走る。
このようなトレーニングを行うことで短い時間でも大きな成果を上げることができるようです。
毛細血管密度を上昇させるためには、2, 30分間継続できるスピードで走り続けるというトレーニングが効果的だと言われています。
参考文献:Sportie.com
アクセル筋を意識してサッカーに合った動きを
持久力を身に着けることと同時に、サッカーにはサッカーの走り方があるということを今一度理解しておくことも大切なことではないでしょうか。
サッカーの走り方は陸上や野球とは異なり、止まる、ダッシュするを繰り返し行う動作。
専門家の間ではアクセル筋、ブレーキ筋の使い分け方を意識しておくことが大切だと言われています。
アクセル筋とは腿裏の筋肉、ハムストリングスのことでこの筋肉を上手く使えると爆発的な瞬発力を出すことやダッシュの繰り返しに効果を発揮すると言われています。スピードを出すことにも関係するのがこのアクセル筋です。
一方で止まるための筋肉をブレーキ筋、大腿四頭筋といいます。
止まるときに使う重要な筋肉なのですが、実は多くの選手がこの筋肉を走ったり、ボールを蹴ったりする時に使っているため、太腿に無駄な筋肉がついてしまい、ブレーキをかけた際に余計な力が入って大怪我に繋がってしまうことがあるのだそうです。
アクセル筋を鍛えると姿勢が整うというメリットも期待できます。アクセル筋を構成する腸腰筋※は、背中側の腰上部から下に伸びて内股をくぐり、骨盤の内側を通って背骨に繋がる筋肉。
腸腰筋がしっかりしていると、横から見た背骨が本来の形である綺麗なS字型になり、背筋の伸びた美しい姿勢を楽に保てるようになります。
姿勢を保てるようになることはサッカーをする上でもシュート力が安定したり、転倒しにくくなったりと、怪我の防止にも一役買ってくれるでしょう。
正しい姿勢でスクワットをすることでアクセル筋を効果的に鍛えられることが知られています。
高校に入るまでに意識して鍛えてみてはいかがでしょう。
※腸腰筋
腸腰筋は腰椎(第12胸椎・第1~5腰椎、腸骨)から大腿骨の上部(大腿骨小転子)についている、体幹と下肢を繋いでいる筋肉。
参考文献:Smartlogボディメイク
体幹トレーニングは長さより正しさ
サッカーには原理原則があり、相手より多くゴールを決めることが最終目標となるのは言わずもがな。
どの位置からでもシュートを打てるようにすることが求められる中、体幹を鍛え、フォームを正しくキープするということが重要と言えるでしょう。
身体の軸を保てるようにすることで怪我の防止にもつながります。
これまで怪我に悩まされてきた選手は特に、そうでない選手も今後は体幹トレーニングにおけるフォームの正しさを意識することが必要となってきます。
正しいフォームを知ることなく、ただやみくもにこなすだけでは効果を落としかねません。
高校入学前に自分のフォームと正しいフォームを比べてみて修正しておくということも高校でのスタートダッシュに遅れを取らない方法だと言えるでしょう。
中には行う時間を伸ばして不可を高めようとする人もいるかもしれません。
実はこれには「フォームが崩れてしまったがために長い時間行える」という落とし穴があるようです。
きちんとした体制でするととてもきつく、長くても30妙ほどしかキープできないというトレーニングもあるのだそう。
各トレーニングの正しいフォームを動画などで確認してしっかり修正しておくことも今のこの時期に有効だと言えるでしょう。
例えばこちらのプランクというトレーニングでは背筋をまっすぐに伸ばし、頭、背中全体、腰、かかとが一直線になるように姿勢をキープすることでより高い効果が得られるのだそうです。
過度のトレーニングによる睡眠障害に注意
新たな環境に行ってからはこれまで以上にトレーニングが厳しいものになることが予想されますが、同時に休息についてもしっかりと考えていきたいところです。
勉強との両立もしなければならない高校生活。睡眠時間の確保はマストともいうべき重要事項です。
高校サッカー部での練習について行こうとするあまり、トレーニングをし過ぎてしまったり、自分を追い込み過ぎることが原因で知らず知らずに疲労が溜まり、オーバーワーク症候群を引き起こしてしまうケースも少なくありません。
宿題やトレーニングが終わり、やっと眠れると思っていざ布団に入ってもなかなか眠れない。疲れているはずなのに心が落ち着かず、目が冴えてしまう。
これが恐怖となり、ストレスが溜まることで更に眠れなくなるという負のスパイラルに陥ってしまう睡眠障害のような状態になるとせっかくのトレーニングの効果も激減してしまうのです。
身体が成長するには成長ホルモンの分泌、受傷した場合の修復、プレーや体の使い方の記憶などは眠っているうちに行われると言われています。
中学生のうちから休息の大切さを十分に理解し、眠ることもトレーニングと考えて時間を有効活用することを意識しておく。
ハードな高校生活に向け、トレーニングと休息、睡眠の関係を今一度確認してみてはいかがでしょうか。
睡眠の重要性についてのコラムはこちら
【『睡眠』前編】一日の3分の1は睡眠!コロナに負けない免疫力アップに重要!サッカーや勉強と関係あるの?睡眠はこんなに大事!
最後に
高校サッカー部への進学が決まった中学3年生の皆さん。
これから新たな環境が皆さんを待ち受けています。
ハードな練習に耐えうる身体を作り、スタートダッシュに乗り遅れないために今一度意識して欲しいことをまとめてみました。
今の自分の状況を分析し、確認しておくことで良いスタートが切れるよう準備をして欲しいと思います。皆さんの高校サッカー部でのご活躍を祈り、応援しています!
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